2.厨房衛生のアウトライン

6清掃とは

厨房清掃で大事なことは、害虫獣や細菌の繁殖防止につながるレベルまで実践できていること。「一見キレイに見えるから‥‥」それでOK、というものではありません。

多くの人の手が触れる場所こそ、
しっかりと清掃することが大切な場所です。

お客様でも、スタッフであっても、不特定多数の人が頻繁に接触する場所のことを「コンタクトポイント」と言います。代表的な部位としては、冷蔵庫の取っ手や水道の蛇口、ガスレンジや電子レンジなどのつまみやスイッチ、さらにレジや電話の受話器などがあります。
ご存じのように、人の手には想像以上に多くの細菌や有害な微生物が付着しています。それがコンタクトポイントを接点として次々と広がっていくことで、食中毒などの衛生事故を引き起こす可能性があるのです。手洗いは万全で、食器や食材の洗浄・管理が完璧であっても、コンタクトポイントからの「交差感染」が食中毒の原因となる場合もあります。
お客様の目につきやすい場所はキレイにしているお店であっても、コンタクトポイントは案外見落としがちなもの。店内のコンタクトポイントを洗い出して、チェックリストなどを使って確認し、衛生的な環境を維持することが大切です。

キレイにするための用具が、
汚れたり破損したりしてはいませんか?

せっかく清掃しても、清掃用具が汚れていたり、破損していては二次汚染の原因になります。
器具・機器への関心を持たないと、「お掃除したから大丈夫」といった心の油断につながり、思わぬ衛生事故が発生しかねません。
また、清掃用具が破損していると、その破片などが異物として混入する可能性もあります。 清掃用具の状態はつねにチェックしておくことが大切です。清掃方法や場所だけでなく、用具の衛生管理にもしっかり目配りしておきましょう。

清掃用具のポイント

清掃用具のお手入れはしっかりと

二次汚染の原因になりますから、清掃用具は食品用や調理器具用のシンクで洗ったり、同じ清掃用具を使って手入れしてはいけません。必ず専用のシンクや用具を使用してください。

清掃用具の保管は整理整頓、風通しよく

清掃用具を保管する際は、吊り下げフックなどを使用し、床へのじか置きは避けましょう。キレイに洗浄したあと、風通しのよい保管用具で保管します。厨房施設の外、もしくは調理場所から離れた風通しがよい場所が最適です。

清掃用具のチェックポイント

損傷・剥離・劣化がないかをチェックしましょう。ブラシなどの抜け毛が異物混入の原因になることもあります。

収納庫の整理整頓例

  • 小物類はラックや棚に整理します。
  • 汚れたものは、使用後できるだけ汚れを取り除き、汚れたままの保管は避けます。
  • バケツなどカサが高いものや重いものは床に近い部分、また床に置くようにします。
  • 長さのあるものは壁際に吊り下げます。
  • 濡れたものは使用後水気をきり、乾燥させてから保管します。
  • 清掃用備品は、保管場所が誰にでもわかり、整理整頓がしやすいよう目印をつけておきます。

洗剤の保管方法

希釈する原液をシンク下やワークテーブル下などに保管しておく場合は、定位置を決め、洗剤名と希釈倍率を書いて貼っておくと便利で、間違いも防止できます。

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