厨房衛生大事典Kitchen Sanitary Encyclopedia
食中毒の種類
その他の原因による食中毒
自然毒による食中毒植物性
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毒キノコ
- 原因食品
- ツキヨタケ、クサウラベニタケなど
- 症 状
- 種類によって異なるが、肝障害、脳障害を引き起こす場合がある
- 予防のポイント
- 知らないキノコは食べない
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毒草
- 原因食品
- 水仙や彼岸花の球根
- 症 状
- 嘔吐、四肢のしびれ、言語障害、下痢等種類により異なる
- 予防のポイント
- 山菜と間違えて食べるケースが多いので専門的な知識者の指導がない限り食べない
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ジャガイモ
- 原因食品
- ジャガイモの発芽部及び緑色部分
- 症 状
- 腹痛、胃痛、意識障害
- 予防のポイント
- 発芽部及び緑食部分に含まれる有害物質(ソラニン)の除去を行う
自然毒による食中毒動物性
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フグ
- 原因食品
- フグの卵巣、肝臓等種類により異なる
- 症 状
- 食後30~1時間以内に唇部、舌端に軽いしびれ。その後、頭痛、嘔吐、言語障害、歩行困難になる。重症の場合は呼吸麻痺に陥り、死に至る。
- 予防のポイント
- 必要な届け出を出し、認められている飲食店舗で食べる
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貝
- 原因食品
- 帆立貝等の二枚貝
- 症 状
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- 麻痺性貝毒:唇、舌、顔面のしびれ
- 下痢性貝毒:下痢、腹痛、吐気
- 予防のポイント
- 夏場出荷自主規制がされている海域等では帆立貝等の二枚貝は採って食べない
化学物質による食中毒
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洗剤、漂白剤、農薬、食品添加物、水銀、鉛
- 原因食品
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- 食用不適物または添加物等の誤用・悪用
- 食品の製造、加工過程で有害物質が混入
- 器具や容器包装から有害物質が溶出
- 環境汚染物質によって食品が汚染
- 予防のポイント
- 食品の注意深い取扱い、保管及び管理を行う
寄生虫による食中毒
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アニキサス
- 原因食品
- 生食用鮮魚介類(イカ・サバなど)
- 症 状
- 上腹部痛、下痢、じんましん、吐血(胃アニキサス症)。食後2~8時間で発症。
- 予防のポイント
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- 魚介類は加熱調理する
- -20℃で24時間以上冷凍保存する
- アニキサスは活魚の内臓に寄生していますが、鮮度が落ちると筋肉内にも移動するため、できるだけ新鮮なうちに内臓を除去しましょう
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トキソプラズマ
- 原因食品
- 豚、羊、山羊の生または加熱不十分な肉と山羊の生乳等
- 症 状
- 無症状から頭痛、軽い発熱等、妊娠期間中に初めて感染した場合、胎盤感染が起こり、流産、死産、早産などにつながる。
- 予防のポイント
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- 加熱処理を行う(中心が67℃になるまで)
- 凍結処理を行う(中心がー12℃になるまで)
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サルコシスティス
- 原因食品
- 豚、牛、馬などの生または加熱不十分な肉
- 症 状
- 豚や牛:下痢、嘔吐、腹痛などの消化器症状
馬:下痢、腹痛、倦怠感
- 予防のポイント
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- 中心に火が通るよう充分に加熱する
- 凍結処理を行う(中心温度ー20℃で48時間以上、ー30℃で36時間以上、ー40℃で18時間以上)
アレルギー様食中毒
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ヒスタミン
- 原因食品
- 魚あるいはその加工品(主に青魚)
- 症 状
- 顔面の紅潮、頭痛、発疹、動悸、腹痛、吐気
- 予防のポイント
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- 刺身やその加工品を常温放置しないようにする
(冷蔵庫内であっても長時間放置しない) - 魚は新鮮なものを早く食べる
- 刺身やその加工品を常温放置しないようにする