主な食中毒菌の特徴

微生物による食中毒

細菌性食中毒感染型

  • 腸炎ビブリオ

    海水に多く含まれ、塩分2~5%の水中で発育します。海産の生鮮魚介類やその他加工品、さらには塩分を含んだ調理食品で感染します。

    症 状
    激しい腹痛、下痢、嘔吐、発熱
    潜伏期間
    4~28時間/通常10~18時間
    発症菌量
    100万以上で発症
    予防の
    ポイント
    • 真水で死滅
    • 低温流通の徹底
    • 加熱
    • 手指消毒の徹底
  • サルモネラ菌

    卵や生肉、およびその加工食品、あるいは調理器具などが汚染されていると発生します。人や動物の腸管内に多く存在し、ねずみやハエ、ゴキブリなどを媒介として広がります。

    症 状
    下痢、腹痛、38℃以上の発熱
    潜伏期間
    6~72時間/通常12~24時間
    発症菌量
    100でも発症の可能性あり
    予防の
    ポイント
    • 食品の加熱の徹底
    • 冷蔵庫内二次汚染の防止
    • 検便の実施
    • 手指消毒の徹底
    • ネズミ・昆虫駆除の実施
  • 病原性大腸菌

    自然界に幅広く分布しており、あらゆる食品に繁殖する可能性があります。井戸水や貯水槽内の水を通じて集団発生するケースも多く見られます。

    症 状
    腹痛、下痢、嘔吐、吐気、発熱、水様便、血便
    潜伏期間
    6~72時間/通常12時間
    O157の場合は4~9日間
    発症菌量
    100でも発症の可能性あり
    予防の
    ポイント
    • 手洗いと手指消毒の徹底
    • 井戸水、貯水槽の殺菌、定期検査
    • 検便の実施
  • カンピロバクター

    鶏、牛、豚等の家畜や犬等のペットから多く検出される病原菌。そのため、食肉類(鶏肉や牛レバー等)の生食品を媒介として発生します。

    症 状
    38~39℃の発熱、倦怠感、
    頭痛、下痢
    潜伏期間
    2~7日間/通常12時間
    発症菌量
    100でも発症の可能性あり
    予防の
    ポイント
    • 生肉等は、冷蔵庫から出したら早めに調理し、十分に加熱する
    • 生肉と調理済み食品は別々に保管する
    • 調理に使用する水(井戸水の場合)の滅菌を充分に行う
    • 生肉の生食を避ける
  • ウェルシュ菌

    人および動物の糞便や土壌、下水等の自然環境に広く分布する耐熱性、嫌気性の細菌。カレーライス、シチュー、スープ等同一容器内で大量に調理され、長時間室温で放置された食品中で増殖します。

    症 状
    下痢、腹痛
    潜伏期間
    6~18時間/通常12時間
    発症菌量
    100万以上で発症
    予防の
    ポイント
    • 前日調理は避ける
    • 調理したものはなるべく早く食べる
    • 調理後、長時間置く場合は、急速に冷却後、冷蔵保存する
    • 食べる際には再加熱を行う
  • 赤痢菌

    魚介類、下水、汽水、糞便などに多く含まれる病原菌で、海産物(特に貝類)、水、生野菜、牛乳を媒介として発生します。

    症 状
    激しい下痢、腹痛、嘔気、嘔吐、発熱
    潜伏期間
    1日~7日間/通常4日以内
    発症菌量
    10でも発症
    予防の
    ポイント
    • 80℃10分の加熱
  • コレラ菌

    魚介類、下水、汽水、養殖池などで発生、増殖する病原菌で、海産物(特に貝類。エビ)、水、ココナッツなどを媒介として発生します。

    症 状
    水様下痢、腹痛、嘔気、嘔吐、脱水、ショック症状
    潜伏期間
    6時間~5日間/通常1日以内
    発症菌量
    100万以上で発症
    予防の
    ポイント
    • 手洗いと手指消毒の徹底
    • 海外で生食品は控える
  • エルシニア・エンテロコリチカ

    動物の腸管内、自然環境に広く分布。5℃前後の低温でも発育し、25℃~30℃でも活発に増殖します。主に食肉を媒介に発生します。

    症 状
    腹痛、下痢、頭痛、発熱
    潜伏期間
    3~7日間
    発症菌量
    不明
    予防の
    ポイント
    • 肉、卵類は充分に加熱する
    • 食品の長期低温保存に注意する
  • リステリア・モノサイトゲネス

    動物の腸管内、自然環境に広く分布。4℃前後の低温でも発育し、食塩にも耐性があります。牛乳、チーズ、食肉などを通じて感染します。

    症 状
    倦怠感、発熱
    潜伏期間
    1~数週間
    発症菌量
    不明
    予防の
    ポイント
    • 充分に加熱する

細菌性食中毒食品内毒素型

  • 黄色ブドウ球菌

    おにぎりや弁当、生菓子など手指が関係する食品が媒介となるケースが多く、とくにキズが化膿した部分や鼻、ノドなどの粘膜にも多く分布しています。増殖する際に毒素であるエンテロトキシンを産生しますが、5℃以下ではほとんど増殖しません。

    症 状
    激しい嘔吐、下痢、腹痛
    潜伏期間
    1~6時間/通常30時間
    発症菌量
    10万以上で発症
    予防の
    ポイント
    • 手指にケガや傷がある場合、直接食品に触れたり調理を禁止
    • 手指の洗浄・消毒
    • 使い捨て手袋の使用
    • マスク・帽子の着用
  • セレウス菌

    土壌、河川等の自然環境に広く分布する病原菌で、症状には嘔吐型と下痢型の2種類があります。炒飯など加熱した食品が原因食品となります。

    症 状
    嘔吐型:嘔気、嘔吐 下痢型:腹痛、下痢
    潜伏期間
    嘔吐型:1~6時間 下痢型:6~16時間
    発症菌量
    嘔吐型:100万以上で発症
    下痢型:100万以上で毒素産生
    予防の
    ポイント
    • 調理食品は、低温で保存
    • 食べる前に再加熱する
  • ボツリヌス菌

    海水、湖、川等の泥砂及び、そこに生息する魚介類等に広く分布。一定期間保存し、熱処理しないで食べる食品や保存発酵食品、まれに真空パック食品、びん詰・缶詰食品でも発生します。

    症 状
    吐き気、嘔吐、神経障害、
    疲労感、視力減退、呼吸困難
    潜伏期間
    12~36時間
    (短い場合は5時間前後)
    発症菌量
    100万以上で発症
    予防の
    ポイント
    • 新鮮な原材料を選ぶ
    • 野菜等は充分に水洗いする
    • 魚の調理には、腸内容が魚肉を汚染しないようにする
    • 食べる前に充分な加熱を行う
    • 低温で保管する

ウイルス性食中毒

  • ノロウイルス

    二枚貝(生ガキなど)を生食することによって感染した感染者の便、吐物などから広範囲に感染。二次感染により発生している場合は、あらゆる食品から感染する可能性があります。

    症 状
    嘔吐、腹痛、下痢、発熱は軽度のことが多い
    潜伏期間
    24~48時間
    発症菌量
    100以下(数個)でも発症
    予防の
    ポイント
    • 牡蠣などの二枚貝は加熱して食べる
    • 手洗いの徹底
    • 食器・器具類の熱湯・煮沸消毒
    • 嘔吐物の正しい処理

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