夏は細菌が猛威をふるう!

事例を通して食中毒を考えよう

事例を通して食中毒を考えよう

夏は細菌の繁殖が活発になる季節で、「細菌性食中毒」が多く発生します。そのため、飲食店の皆様はいつも以上に食中毒に対して敏感になる季節ではないでしょうか。今回は、過去に起こった食中毒事故の事例を紹介します。事例を通して、食中毒対策のポイントを考えていきましょう。

夏に細菌性食中毒が多く発生するのはなぜ?

夏に細菌性食中毒が多く発生するイメージ

梅雨の時期から夏にかけて、食品や調理場は細菌が増殖しやすい温度帯にさらされる時間が長くなります。さらに湿度も高くなるので、この時期に「細菌性食中毒」が多く発生しています。その他にも、夏バテなどで体力が衰え、細菌に対する免疫が低下することも原因の一つとして考えられます。

グラフ図

出典:厚生労働省「平成28年病因物質別月別食中毒発生状況」を加工して作成。

過去の事例を通して、対策を考えよう

「うちのお店では食中毒は起きないだろう」、どこか食中毒を他人事のように思ってはいないでしょうか?食中毒事故は、毎年多く発生しており、どのお店でも起こりうる問題です。発生の原因の元をたどれば、衛生に関する知識不足や、スタッフへの教育の不徹底など、食中毒を甘く考えていることが考えられます。事例を通して、「食中毒は身近な存在」ということを理解するとともに、「対策のポイント」を知り、店舗での対策に活かしていきましょう。

〈食中毒事例〉その1

平成28年8月、千葉県市川市の介護付有料老人ホームで提供された食事を喫食した入居者など133名中52(内、死者5名)名が下痢、血便などの症状を発症。この事件は夕食に提供されたきゅうりのゆかり和えを原因とする腸管出血性大腸菌O157によるものである。

●出典:千葉県ホームページ

対策方法

このケースは食材に付着したO157をやっつけられなかったことにより、食中毒が起こってしまったと考えられます。食中毒を起こさないためには、細菌をつけないことはもちろん、細菌をしっかり洗い落とし、やっつけることが大切です。

細菌を持ち込まないためには…

信頼できる納入業者を選びましょう

納入業者から原材料に関する情報を集めることは大切です。仕入れた食材はしっかり、洗浄・殺菌しましょう。

適切な方法で食材を洗浄・殺菌する

イメージ厚生労働省、大量調理施設衛生管理マニュアルには、加熱をしないまま提供する野菜の洗浄方法に関して、流水でしっかり洗浄、必要がある場合は次亜塩素酸ナトリウムで殺菌後、流水ですすぎ洗いするよう定められています。

〈食中毒事例〉その2

平成29年3月、東京都世田谷区にある私立幼稚園で「年長組を送る会」の際に提供されたカレーライスを喫食した76名(3・4歳児及び5歳児クラス園児67名、教職員9名)が腹痛、下痢、嘔吐などの症状を発症。カレーは前日に教職員と園児が調理、当日、再加熱してごはんとともに提供された。この事件はカレーライスを原因とするウェルシュ菌による食中毒と断定。

●出典:東京都公式ホームページ

対策方法

このケースは前日に調理し保管が悪かったため、ウェルシュ菌が増殖してしまったと考えられます。食中毒を起こさないためにはウェルシュ菌を増やさない温度管理がポイントです。

細菌を増やさないためには…

適切な温度帯でしっかり保管

イメージ細菌が増えない温度帯で食品を管理することが重要。カレーの場合、常温保管はNG。ウェルシュ菌が繁殖してしまうので、保存する場合は急速に冷まして冷蔵庫に保管しましょう。食べる際はしっかり再加熱することも忘れずに。

調理済みの食品を長時間保存しない

食べる前日に調理は極力せず、作ったものはなるべく早く食べましょう。

今回、事例を通して、食中毒の原因や対策がお分かりいただけたかと思います。もちろん、夏だけの対策ということではなく、一年を通してお店で食中毒事故を起こさないためにも、衛生管理の知識を身につけて対策を立てましょう。

もっと食中毒について知りたい方はこちらをチェック! もっと食中毒について知りたい方はこちらをチェック!

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