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<実践!新たな衛生管理①>

「HACCP(ハサップ)」の考え方を取り入れるために

「HACCP(ハサップ)」の考え方を取り入れるために

「何となく感覚で」「きちんとポイントを理解していないで」そんな風に衛生管理をしていませんか?食品事故を起こさないためにも、今一度、管理の方法を見直してみましょう。今回は、食品事故防止に効果的な衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」をご紹介します。
※こちらのコンテンツの内容は2017年6月時点の情報です。

衛生管理をより確実に行うために

食品事業者を対象に「HACCP」の手法を取り入れた衛生管理の導入が義務化される方向に進んでいます。
導入には、高度な衛生管理や設備の整備が必要というイメージがあるのではないでしょうか?そんなことはありません。「HACCP」の考え方として大切なことは、どこに食品事故を起こす原因が潜んでいるのかを理解した上で衛生管理を実施し、それが正しく行われているか確認すること。より良い衛生管理の実現に向けての第一歩として、「HACCP」の考えを取り入れた衛生管理を行ってみてはいかがでしょうか?

食品事故を起こさないために
重要な3つのポイントを押さえた衛生管理

衛生管理のポイントを見える化、衛生管理のポイントを実行、実行した衛生管理を記録 衛生管理のポイントを見える化、衛生管理のポイントを実行、実行した衛生管理を記録

「HACCP」には、
こんなメリットが!

食品の安全をしっかり確保。お店の信頼感アップ!衛生管理とともにムダがなくなる!記録に残せば、いざというときにも安心!スタッフの衛生意識統一・向上! 食品の安全をしっかり確保。お店の信頼感アップ!衛生管理とともにムダがなくなる!記録に残せば、いざというときにも安心!スタッフの衛生意識統一・向上!

より安全な商品を提供するための管理法「HACCP」

「HACCP」の内容について

原材料の受け入れから出荷までの工程で起こる可能性がある、細菌やウイルスなどによる食品汚染や異物混入などの危害要因を分析・予測し、危害を及ぼす原因があると考えられる工程を重要管理点と定めて、特に重点的にチェックすることで食品の安全を確保します。
具体的には、加熱の工程で毎回温度計を使用して測定するなど、工程に適した方法でしっかり確認作業を行います。

■HACCPによる管理の図(例)

HACCPは各工程ごとにチェックを実施

HACCPによる管理の図(例) HACCPによる管理の図(例)

「HACCP」はこんなことを実施します!

危害要因の分析、重要管理点を決定、継続して監視と記録 危害要因の分析、重要管理点を決定、継続して監視と記録

完成した商品の中からいくつかを取り出して検査する従来の食品管理方法「抜き取り検査」と比べ、「HACCP」は出荷する商品のより確かな安全性の確保ができます。また、万が一問題が起こった際の原因を突止めるためにも有効な手法です。

「HACCP」の7原則と12手順

「HACCP」の考え方を取り入れるためには、どのようなことを実施するのか、大切なことは何かを知っておくことが重要。そこで、「HACCP」の原則と手順をご紹介します。

「HACCP」の7原則と12手順のキャライメージ
  1. 手順1

    HACCPチームの
    編成

    商品に関する情報は一通りすべて必要。全部門の担当者を集めてチームを結成します。

  2. 手順2

    製品説明書の作成

    原材料や賞味期限、保存方法など、提供する商品の安全に関する情報をまとめます。

  3. 手順3

    意図する用途及び対象
    となる消費者の確認

    どのように食べるのか(生、加熱など)や誰が食べるのかなどを確認します。

  4. 手順4

    製品工程一覧図の
    作成

    原材料の受け入れから、商品の出荷(提供)までの、一連の工程をまとめます。

  5. 手順5

    製品工程一覧図の
    現場確認

    実際に現場で工程を確認。作成した製品工程一覧図に間違いがないかチェックします。

  6. 手順6

    危害要因の分析

    原材料や工程の中に存在する危害要因(細菌やウイルス、異物など)をまとめます。

    原則1
  7. 手順7

    重要管理点の決定

    危害を防ぐために、特に重要なポイント(加熱殺菌や異物混入など)を決めておきます。

    原則2
  8. 手順8

    管理基準の設定

    重要管理点をきちんと管理するための、基準(温度や時間、臭いなど)を設定します。

    原則3
  9. 手順9

    モニタリング方法の
    設定

    管理基準をチェックする方法(温度計での測定や目視確認など)を設定します。

    原則4
  10. 手順10

    改善措置の設定

    管理基準が守られていなかった場合の対処法(廃棄など)を設定します。

    原則5
  11. 手順11

    検証方法の設定

    定めた管理方法が実施されているか、有効かどうかを確認します。

    原則6
  12. 手順12

    記録と
    保存方法の設定

    実施した内容を記録する方法や記録の保存の方法を設定します。

    原則7

国際基準の管理法、世界各国で導入が進められています!

世界各国の「HACCP」導入状況

世界各国の「HACCP」導入状況

1993年に、「国連食糧農業機関( FAO )」と「世界保健機関( WHO )」の合同機関、「コーデックス委員会(国際食品規格委員会)」がガイドラインを発表しました。世界各国に「HACCP」の採用を推奨し、現在では多くの国で導入が進められています。

  • アメリカ

    アメリカ アメリカ

    水産食品、食肉・食鳥肉及びその加工品、飲料

    1997年より、「HACCP」を順次義務化

  • EU

    EU EU

    一次生産を除くすべての食品(生産・加工・流通事業者)

    2006年完全適用「HACCP」の概念を取り入れた衛生管理を義務化

  • 韓国

    韓国 韓国

    魚肉加工品(蒲鉾類)、冷凍水産食品・冷凍食品(ピザ類、饅頭類、麺類)、氷菓子類、非加熱飲料、レトルト食品、キムチ類(白菜キムチ)

    2012年より、「HACCP」を順次義務化

「HACCP」の考えを基にした衛生管理を飲食店でも

「HACCP」の考えを基にした衛生管理を飲食店イメージ

今回、ご紹介した「HACCP」の考え方は食品事故の防止に効果的。
「でも、具体的にどうすればいいの?」そんな方のためにも、次回は「HACCP」の考え方を基にして行う、飲食店での衛生管理の方法をご紹介します。

●出典:厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/

「食品製造におけるHACCP入門のための手引書(乳・乳製品編)」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000098990.pdf

「HACCP導入普及推進の取組」(厚生労働省食品安全部監視安全課HACCP企画推進室)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000076152.pdf

を参考に加工して作成。

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