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【アルバイトを定着させるために店長が実施すべきこと】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の大橋隆人(おおはしたかひと)です。

今回は「アルバイトを定着させるために店長が実施すべきこと」ついて、3つのポイントに沿ってお伝えします。
【アルバイトを定着させるために店長が実施すべきこと】
=今回のポイント=
■ アルバイトが定着しない原因を探る
■ 定着率を上げるためには最初が重要!アルバイト採用時のポイント
■ アルバイトがやめない環境づくり
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■ アルバイトが定着しない原因を探る
アルバイトを定着させるために実施すべきことの前に、そもそもなぜアルバイトが定着しないのかという原因を整理していきましょう。その理由としてはいくつかありますが、飲食店においてよくあるケースでは下記が多いかと思います。
①雰囲気・周囲のスタッフと合わない
②給与・評価に不満がある
③希望シフトが合わない・休みが取れない
④業務内容に不満がある
⑤他のアルバイトの方が条件が良い

人によって理由はさまざまですが、共通して言えることとして、上記のような原因は「アルバイトとのコミュニケーション量」によって対策・改善が図れる、ということです。
例えば「雰囲気・周囲のスタッフと合わない」場合、人間関係の部分も絡んでくるためコントロールがしにくいところでもありますが、定期的にフォロー面談を行いながら、合わない人と同じシフトになる回数を意図的に減らすことや、なぜ合わないと思うのかの根本を確認していきながら改善案を提示することで対策や改善が図れるかと思います。

また、「給与・評価に不満がある」場合、そもそも採用時に給与形態や評価制度の説明がしっかりとできていたのかを確認しましょう。意思疎通ができ、内容や評価基準をしっかりと理解してもらったうえで働いてもらう取り組みが必要です。重要なことは、採用前・採用後に関わらずアルバイトとコミュニケーションをとることです。
最もよくないケースは、採用前に仕事内容や給与の説明をきちんとせず、採用後も業務上のやり取りなどは他のアルバイトに任せ、放任してしまうことです。店長やオーナーが店舗に顔を出すのは月に数回、もしくは決まった時間帯のみである、ということはないでしょうか。アルバイトの離職予防という観点からも定期的にコミュニケーションの場を設けましょう。
■ 定着率を上げるためには最初が重要!アルバイト採用時のポイント
ここからはより具体的に、採用前と採用後のアルバイトとの関わり方についてお伝えします。先にも記述したように、アルバイトが定着しない原因の中でも「給与」「シフト」「業務内容」などに不満がある場合、そもそも採用時に労働環境や労働条件を正確に理解できていないという可能性があります。採用時に店舗側とアルバイトの認識にズレがあると、働いていくうちに不満が膨らんでいくものです。定着率を上げるためにも採用時の詳しい説明は必要です。

ここでは給与面を例に挙げます。時給や手当が一律ではなく、たとえばアルバイトの能力や実績によって変わる店舗の場合、どういった基準で給与が決まるのかを最初に話しておくことで業務内容のイメージもしやすくなります。応募者が希望している条件とは齟齬がある可能性もあるため、面接時に伝えておく方が良いかもしれません。また、そもそも給与を決める評価基準が主観的であり、客観的に計測できにくい内容ならば見直しが必要です。曖昧な基準が含まれているようであれば、これまではうまくいっていたとしても、いずれ不満が出てくる懸念があります。より定量的に判断ができるような仕組みにすることが重要です。

また、給与や評価以外にも、店舗(または運営企業)が食品を取り扱ううえで信頼できる場所であることを伝えておくことも重要です。たとえば一般財団法人 食品安全マネジメント協会が開発したJFS規格(食品安全マネジメントシステム、ハザート制御、適正製造規範の3つからなる食品安全規格の総称)の適合証明取得などもその一つです。会社がJFS規格を取得しており食品安全のレベルや意識が高いことを面接時に伝えれば、聞き手は安心感や信頼感を得るでしょう。もしもJFS規格を取得済みで、より上のランク取得を目指しているのであれば、それを一緒に目指していこう、と採用時に伝えてみるのも良いかもしれません。働く誇りにもなるでしょう。JFS規格の適合証明取得は従業員の意識を変えるだけでなく、取引先やお客様の信頼を得ることにもつながります。ダスキンでは、JFS-A・JFS-B規格、及びJFS規格フードサービス(セクター:G)の適合証明取得のためのコンサルティングと監査に対応しています。
■ アルバイトがやめない環境づくり
最後に、アルバイトがやめない環境づくりについてお伝えします。
コラムの冒頭で挙げたとおり、なんといっても重要なのは「アルバイトとのコミュニケーション量」です。業務時間中のコミュニケーションも重要ですが、定期的に面談などの形式でコミュニケーションを図る時間を設けることも大切です。特に昨今、社員とアルバイト間のコミュニケーションについての相談が増えています。社員側はよかれと思い接していることでも、アルバイト側はハラスメントだと受け取ることもあるため、コミュニケーションの取り方についても気を配る必要があります。

定期的な面談では業務の内容をメインとしたうえで、評価制度に照らし合わせながら、現状の能力値と今後の働き方、目指すポジションなどを確認するのが良いでしょう。そのうえで、業務中の不安を聞く受け皿の場としても活用しましょう。このように、今後の働き方を一緒に考えてサポートしていく体制はアルバイトの定着に不可欠です。働き方を含め、ちゃんと見ているという姿勢を示す場は大切です。

ここで注意すべきことは、普段の働き方に対するダメ出しをしたり、働き方を強制することです。優秀なアルバイトスタッフにはアルバイトリーダーになってほしいと思うこともあるでしょう。だからといって、期待を込めて今後の業務量を増やすことを一方的に決めてしまうなどはもってのほかです。面談時は相手の意思を尊重しながら話を聞くことをメインに進めていきましょう。そもそも面談自体にストレスを感じてしまう人もいるため、あくまで面談は応援者の立場で実施します。それ以外で伝えなければならない事項や注意点は、業務時間を活用するのが理想的です。
今回お伝えしたように、定期的な面談を重ねていきながらコミュニケーション量を増やし、アルバイトの定着を図っていきましょう。

▼関連コラム
【アルバイトの定着率に役立つ簡易評価制度の事例紹介】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_90.html
【短期アルバイトで終わらせない!離職防止の取り組み事例】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_87.html
【アルバイトの定着率を高めるために店長が実施すべきこと 2021年版】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_70.html
◆執筆者プロフィール◆
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部 観光フードグループ
大橋 隆人(おおはし・たかひと)
大学卒業後、船井総合研究所に新卒入社。飲食企業を実家に持つ。
事例主義を掲げ、居酒屋店、焼肉店、総合和食店など業態に関わらず、飲食店のコンサルティングに携わっている。直近では観光立地での飲食店業態開発にも力を入れており、現場に寄り添うサポートをおこなっている。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2024年3月19日)

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