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【アルバイトの定着率に役立つ簡易評価制度の事例紹介】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の村上祐太(むらかみ ゆうた)です。

今回のコラムでは【アルバイトの定着率に役立つ簡易評価制度の事例紹介】と題しまして、アルバイトの定着と早期戦力化に効果的な評価制度と教育ツールの事例をご紹介します。

アルバイトに関して「せっかく採用したアルバイトが定着しない」「教育スピードが遅く、なかなか繁忙時間帯にシフトを入れられない」など採用後の定着・初期教育について課題を抱えている飲食企業をよく目にします。
これらの課題に悩まされることなくアルバイトが定着している企業で多く取り入れている教育制度は下記2点です。
①スキルマップと評価制度を組み合わせた教育制度の導入
②動画マニュアルによる全店舗共通の教育ツールの活用

今回のコラムではこれらの構築・運用のポイントを中心にご紹介します。
飲食店以外の業種を経営されている企業様にも役立つ内容ですので、ご参考いただけますと幸いです。
【アルバイトの定着率に役立つ簡易評価制度の事例紹介】
=今回のポイント=
■ アルバイトのスキルの見える化を行うスキルマップの構築
■ 簡易評価制度との連動によるアルバイトのモチベーションアップ施策
■ 動画マニュアルによる教育の効率化と業務の標準化
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■ アルバイトのスキルの見える化を行うスキルマップの構築
アルバイト教育において、スキルの見える化を行い、その結果に合わせて個別の面談や教育計画を策定し実施することは重要なポイントです。スキルや業務の棚卸をしてスキルマップを作成している企業は多くありますが、アルバイト教育が上手くいっている企業のスキルマップには特徴があります。それは「定量化した基準を設け、誰が見ても同じ目線で判断できる設計にしている」ということです。
業務が正しく行えるレベルにあるかどうかを判断する際には量と質での判断軸があります。量に関しては、ある食材の仕込みを『〇㎏を〇分』で終えられるかどうか、また質に関しては『厚さ〇㎝』に統一してカットできているかどうかなど、数字を用いた合格基準を明確に定めることがスキルマップを効果的に使用している企業の特徴です。
このように設定することで教育する側と教わる側の両者が目指すべきレベルを同じ目線で認識することが可能となり、認識のズレによる様々なトラブルやロスを軽減できます。
■ 簡易評価制度との連動によるアルバイトのモチベーションアップ施策
また、アルバイト教育と定着で成功している企業の特徴としては、このスキルマップを簡易評価制度の項目として活用し、「チェック→面談→目標設定→処遇へ反映」のサイクルをまわすことによってやりがいやモチベーションを維持させている点が挙げられます。
どのスキルと業務をどの基準でできるようになれば評価され、自身の時給アップにつながるかが明確になっているため、アルバイトに目標ややりがいをもって業務に取り組んでもらいやすい仕組みです。
ここで注意しなければならないのが、評価制度としても活用するため必ず自身による自己チェックと上長チェック、そして面談日を設けフィードバックを行う必要があるという点です。制度設計やツール作成に工数を掛けて良いものを作成しても、この工程を省いてしまってはせっかくの制度が形骸化していき成果につながりません。
すでに導入しているが成果が出ていない、もしくはこれから導入を検討している方は運用のルールにも注意して設計していただければと思います。
■ 動画マニュアルによる教育の効率化と業務の標準化
ここまでスキルマップ構築のポイントとそれを活用した簡易評価制度に関してお伝えしてきましたが、これらの施策と合わせて『動画マニュアル』の導入をお勧めしています。
動画マニュアルの優れた点として以下が挙げられます。
①実際の作業工程を目で見ながら、音声でそのポイントを確認できる点
②スマートフォンさえあれば隙間時間で場所を選ばずどこでも確認できる点

店舗や教える人によって伝達内容が異なるという課題も全店舗共通の動画マニュアルを活用すれば改善できます。このほか動画マニュアルは業務の標準化を促進するツールとしても活用できます。
紙のマニュアルでは目を通しても実際の作業イメージが湧かず、なかなか習得につながらないという課題をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
動画はスマートフォンで作業工程を撮影しながら口頭でポイントを解説するなどし、URLを知っている人のみ閲覧できる限定公開で動画投稿サイトにアップする方法が手軽です。専門の機材や技術がなくても動画作成ができる時代です。誰でも簡単に導入できるため、ぜひ興味をお持ちの方はチャレンジしてみてください。

また作成される際は、撮影する動画の項目とスキルマップの項目を統一することをお勧めします。すると、アルバイト自身がスキルマップを進めていくにあたり必要な項目を確認しながら仕事をするなど主体性が出てきます。また、面談の際には上長が一緒に動画を確認しながら改善点や注力ポイントをスキルマップベースで伝えることができるなど、よりアルバイト教育のスピードと質に効果的なツールとなります。

人の定着率などに関するテーマは、何か問題が起きたり、人員体制が深刻な状態になったりしない限り後回しにされがちなテーマですが、上手く人員体制を整えている企業ほど注力して取り組んでいます。
ぜひ、今回のコラムを貴社での取り組みを見直すきっかけにしていただければ幸いです。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://funai-food-business.com/

(公開日 2022年11月14日)

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