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【2024年版】これからの店舗運営のポイント

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の玉利 信(たまりまこと)です。

今回は、【2024年版】これからの店舗運営のポイントについてお伝えします。
【2024年版】これからの店舗運営のポイント
=今回のポイント=
■ 来店への心理的ハードルが上がっている
■ お客様が求める接客サービス水準に、従業員が付いていけなくなっていく
■ 店舗の衛生環境に求められる水準が高くなる
=========
■ 来店への心理的ハードルが上がっている
直近の約2~3年は、外出や移動の制限によって、物理的に来店ハードルが上がっている状態となっていました。2023年からは移動制限等がなくなり、これからは自由に行きたいお店へと行くことのできる環境となりましたが、例えばシニア層を中心に、客層によっては依然として外出や来店を控える動きは続いています。また、宴会の2次会やはしご酒といった深夜帯なども、以前ほどは戻りきっていないのが現実です。

このように見ていくと、特定の客層や時間帯・利用動機においては、お客様の判断(なんとなく…無意識的に…ということも考えられますが)によって、引き続き来店へのハードルが高い状態が今後も続くと予想されるのが、この2024年です。このような環境下では、
「なんとなく今日もあのお店に行こう」
「1軒、あるいははしご酒でも、だらだらと飲み続ける」
といったような、ある意味、強い目的意識のない来店や利用動機は、今後はますます薄れていくものと考えられます。

さらに、足元の物価高も、来店へのハードルを上げている大きな要因のひとつです。コロナ禍での世界的な需給バランスの歪みに起因するモノ不足の状態は落ち着いてきたといわれていますが、日米金利差を主要因とする円安による輸入物価高は依然として続いており、ただちに解消される見込みではないことから、引き続きお客様の財布の紐は固いものと思われます。

実質賃金が上がらない状態が続くであろうお客様にとっては、1か月に使うことができる金額は決まっていますので、当然、店舗利用・来店の“頻度”や“総回数”としては落ちます。そうすると、1回あたりの外食や店舗利用における価値は相対的に高まるため、
「お店選びで失敗したくない」
「1軒1軒の提供価値を、より厳しく見極める」
「事前に吟味して調べた“あの料理”を食べに行きたいという目的来店性が高まる」
「“あの料理”を食べたら目的は達成したので、他の料理やドリンクはあまり注文せず、すぐお会計にいく」
といった消費マインドをより強く持つようになります。
「コスパ=コストパフォーマンス」という言葉がありますが、最近では「タイパ=タイムパフォーマンス」という言葉も出てきています。1軒あたり・1時間あたりの提供価値が、より求められる時代へと変化しています。

店舗等の経営においては、かねてから「専門性」が大事、といわれていますが、2024年はさらにこれを深掘りしていくことが求められます。例えば飲食店であれば、
・既存の名物商品の食べ方のバリエーションを提案する
・名物商品の派生商品を展開する
・一つの名物商品に縛られずに、各メニューカテゴリ内にも名物級の商品を配置する
といったような店舗の磨き込みが重要となってきます。
■ お客様が求める接客サービス水準に、従業員が付いていけなくなっていく
いま店舗運営の現場で起きている大きな問題のひとつに、人手不足があります。これは小売業でも美容室等サロンでも飲食店でも、どの業界にも共通している問題です。これらに対応するため、全国規模で展開するような大手企業やチェーン店を中心に設備投資が進んでおり、機械やAI・ロボットの導入が増えています。

最近では「入店時に待合所に設置してある端末で人数を入力→番号札を受け取って、席番号の書いてある席まで自分で行く→卓上ではタッチパネルで注文→お会計ボタンを押したら自分でレジカウンターまで行き、セルフレジで決済してそのまま退店」といったように、ほぼ従業員に会わないような、完全セルフのお店なども出てきています。そこまでの極端なお店はまだ少ないとしても、以前と比べて「1回の店舗体験でお客様と従業員が触れる回数」は減ってきているといえます。

このような背景から、特に最近アルバイトをはじめるような若いアルバイトスタッフは、お客様の立場で「接客を受ける体験」や「良い接客を受けた経験」が少なくなっています。そうすると、店長にとっては“あたりまえレベル”の接客であっても、新しく入ったスタッフには“はじめて知る”接客であることもありえるため、これまでにも増して丁寧に接客研修をおこなう必要性が出てきています。

特に40代50代が客層の中心となっていて、働く従業員に学生や20代が多いという状況の店舗は要注意です。お客様が求める接客レベルと従業員がイメージする接客レベルにギャップが生じやすく、「最近あのお店は接客レベルが落ちたなぁ」と思われやすいです。

店長をはじめ、社員からアルバイトスタッフに教育をおこなう際にも「お客様の様子を見て困っていそうだったら声をかける」ことや「お箸が落ちた音が聞こえたら、サッと新しいお箸を持っていく」といったような項目については「最近の若い子は気が利かないなぁ」と嘆くだけでなく、「レジや受付にいるときは、必ずお客様のほうを向いて、お客様にお困り事がないか?に注意を払おう」や「商品提供したあと厨房に戻ってくる際には、必ず各テーブルの上を見ながら、必要なものはないかを確認しながら戻ろう」といったように、接客力を維持・向上する仕組みを整えるようなやり方でレベルアップを図ってみてください。
■ 店舗の衛生環境に求められる水準が高くなる
コロナ禍を経て、お客様は店舗環境についても、いままではそこまで気にしてこなかった細かい点にまで目が向くようになり、お店の評価や書き込みをするようになっています。例えば以下のような点です。
・他のひとが触った手すりやドアノブにあまり触れたくないと思うようになった
・カフェ等のコンディメントバー(シュガースティックやポーションミルクなどが置いてあるコーナーのこと)で他のお客さんが触ったかもしれないものに触れることに抵抗がある。
・客席や待合所などから、普段は目に付かない場所やバックヤードなどがちらっと見えた際、雑多にものや資料が置かれている様子などが目に入ると、店舗全体の管理もあまり良くないのでは?と思うようになった。
・衛生環境を保つための道具の使い勝手(例:アルコール消毒器具の出具合など)についても、ここ数年で何度も利用してきた経験があるからこそ、あまり状態が良くない場合にストレスを感じやすくなっている。

キャッシュレス決済が身近になったことで、レジで自分より前に並んでいるひとが現金での支払いでもたついていると、ついイライラしてしまうようになった、というような感覚に近いかもしれません。衛生周り全般について、慣れてきたがゆえに気がつくようになってしまったという状態です。

その点、ダスキンであれば、本体に触れることなく使用できるオートタイプの「非接触ハンドソープ」や、便座に使用する「除菌泡クリーナー」といった化粧室の衛生用品が豊富にあり、“他のひとが触れたものに触りたくない”といったニーズにも対応しています。上記のハンドソープやクリーナーの泡タイプであれば、不快な薬剤の飛び散りも少なく、一定量が自動で出るためコストダウンにもなります。このように、ただ衛生用品を置くだけでなく、使い慣れていることで目が厳しくなっているお客様も安心ご利用いただけるような商材を導入することで、良い店舗評価を維持していくような取組みも重要です。

ぜひ、今回のポイント3点を意識して、明日からの店舗運営に活かしてみてください。

▼関連コラム
【これからの接客サービスに必要なこと】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_99.html
【アフターコロナでの売上アップのポイントはQSCの向上】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_93.html
【これからの飲食店経営のポイント】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_86.html
◆執筆者プロフィール◆
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部 観光フードグループ
玉利 信(たまり・まこと)
「外食の楽しさを伝える」という志のもと船井総合研究所に入社。
顧客層は1店舗~年商50億規模の企業と幅広い。全国のカフェや居酒屋業態を中心に、店舗開発から既存店リニューアル(メニュー、店頭、販促等)まで一気通貫で経営支援をおこなう。数値分析に基づいたコンサルティングに定評があり、大手企業をはじめ異業種から外食事業へ参入した企業からの信頼も厚い。
直近ではコーヒー専門店の立ち上げを通じ、事業成長はもとより地域活性化へとつなげるコンサルティングを多く手掛けている。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://funai-food-business.com/

(公開日 2024年4月23日)

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