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【効果的に人材育成を行う方法② ~中堅スタッフ編~】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の大橋隆人(おおはしたかひと)です。

今回は「効果的に人材育成を行う方法②~中堅スタッフ編~」と題し、ポイントを踏まえながらお伝えします。
【効果的に人材育成を行う方法② ~中堅スタッフ編~】
=今回のポイント=
■ 中堅スタッフ育成の重要性
■ 4つの中堅スタッフ育成ポイント
■ より効率的にスタッフ育成を行うためには
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■ 中堅スタッフ育成の重要性
効果的に人材育成を行う方法と題して、前回に引き続き今回は中堅スタッフ編をお届けします。中堅スタッフの育成とひとことでいっても、店舗や会社によってその育成内容は様々かと思います。また、中堅スタッフの中でも、Aさんは○○、Bさんは△△、Cさんは□□…といったように、各人に対して求める仕事内容やレベルも異なることと思います。そのため中堅スタッフ育成においては、スタッフの方それぞれに何を目指すか、何を求めるのかということを明確にする必要があります。
特に中堅スタッフの場合、勤続年数も一定期間あり、運営業務において一通り理解し実践できている人材ですので、新人スタッフのように目新しい業務がなく、自己成長を感じにくい段階の方もいるかもしれません。そういった場合、業務に対してやりがいが感じにくくなり、中だるみするばかりか、ともすれば離職につながる可能性もあります。
これらを防ぐ意味でも、何を目指すのか、何を求めるのかを明確化することが、中堅スタッフがより意欲的に業務に取り組める環境づくりにつながります。
■ 4つの中堅スタッフ育成ポイント
次に、中堅スタッフの育成において、より具体的に重要なポイントを4つお伝えします。

▼中堅スタッフの育成ポイント
①企業理念・行動規範の共有
②年間育成計画シートの作成
③年間育成計画シートと評価制度の連動
④進捗確認面談

以下に詳細をお伝えしていきます。

①企業理念・行動規範の共有
会社・店舗は何を目的として運営をしているのか、どういった価値観を重要視しているのかをスタッフへ共有することが最初のポイントです。また、企業理念を受けたうえで具体的にどのように行動に組み込むかをわかってもらうためには行動規範の共有も重要です。これらは働くうえで、働き方・動き方が正しいかどうかを判断する土台になります。ここが共有されスタッフが理解していれば現場に一体感も生まれ、育成スピードも変わってきます。

②年間育成計画シートの作成
中堅スタッフの方が、働くうえで何を目指しているのか、どうなりたいのか、ということを面談しながらヒアリングし、それをもとに今後の年間育成計画を作成します。また、会社・店舗として求めるスキルや能力も組み込みながら、いつまでに何を達成するのか、どういった力をつけるのかということを明確化し、日々の行動に落とし込んでいきます。
育成計画シートでは、定性面・定量面のそれぞれから目標立てを行い、中堅スタッフの方の最終的な目標に対して、どのような段階を踏めばそれが達成できるのか、ということを整理していくことで、何をすべきかを明確にしていくことが重要です。達成目標は、たとえば新商品を月にいくつ売るのか、そのためにどのようなトークが必要となるのかなど、より具体的に設定すると取り組みやすく、達成感も得やすくなります。

③年間育成計画シートと評価制度の連動
年間育成計画シートを作成することで、中堅スタッフ自身が何をすべきかが明確になりますが、目標達成に紐づける形で評価制度と連動させると、より効果的に育成が進んでいきます。つまり、年間育成計画シートのこの部分の目標が達成できれば、評価制度のこの項目がクリアできたことになるよ、というような評価との連動です。このような明確さは、評価側もスタッフ側も達成できているかどうかの判断がよりしやすくなります。また、評価と紐づいている点から、行動努力が給与へ還元される形で「見える化」するため、より意欲的に働きやすい環境づくりにもつながってきます。
もしも自社に確立した評価制度がないという場合でも、計画が達成できたかどうかの判断基準を明示することが重要です。できる限り主観的な判断は除き、客観的なもの(数値評価など)で判断できるようにしておきましょう。到達基準がはっきりとわかる状態にあれば、中堅スタッフへも目指すべき内容がはっきりと伝わります。

④進捗確認面談
①~③の取り組みをしていくなかで、定期的に面談を行い、進捗確認をすることが重要です。日々の業務に追われていると、年間育成計画シートの扱いが疎かになったり、うまく進まない状況が出てきます。計画シートに準じてたびたび進捗確認を行い、進捗が悪いところは原因・改善点を議論し、場合によっては計画の修正が必要です。課題解決のサポートをすることで効果的に育成が進んでいきます。仕事に慣れている中堅スタッフでも、思わぬことで悩んでいたりするものです。

以上、4つの項目を進めていくことで、より効果的に育成ができることと思います。とはいえ、やはり一番大事なことは中堅スタッフと育成者のコミュニケーション頻度です。様々な関わり方があるかと思いますが、中堅スタッフの未来をともに考え、伴走していく応援者として寄り添う姿勢も大切です。こまめにコミュニケーションをとりながらサポートしていきましょう。
■より効率的にスタッフ育成を行うためには
これまで中堅スタッフ育成についてお伝えしてきましたが、年間育成計画シートを遂行するにあたり、通常業務に加えて工数が増えることで負荷がかかりすぎてしまうケースも出てくるかと思います。計画段階ではもちろんそのあたりのスピード感をコントロールしながら計画立てを行っていくわけですが、そのぶん育成スピードは下がってきてしまいます。より効率的に育成を進めていくためには通常業務の工数を下げてまでも時間を作り、年間育成計画遂行の時間に充てることが必要です。

たとえば、これまで中堅スタッフがやっていた業務を新人スタッフやアルバイトに落とし込んで業務を振り分けるなどです。特に業務の振り分けに関しては、中堅スタッフにとっても、新人スタッフやアルバイトに指導を行う育成者としての質を高める場にもなります。教えるだけではなく、適切に業務ができているかを管理する立場としても動くことができるため、育成観点から見ても実施すべき取り組みだと思います。

このほか工数を削減する取り組みとしては、機器などを導入することで業務を簡素化することも手段の一つです。たとえば意外と時間を取られるのが化粧室内のペーパータオルの補充などです。営業開始前に十分に補充したつもりが、忙しい時間帯に限って紙を切らしてしまった経験はないでしょうか。一般的にペーパータオルが多く利用されていますが、ダスキンのロール式ペーパータオルであれば約190mと大容量であり、ペーパー補充の回数が大幅に減少します。
このロールペーパータオルはオート式のペーパーディスペンサー専用となりますが、ディスペンサーはコンセント等の電源が不要であり、センサーに手をかざすと適度な長さの紙が出てくるオート式のため使い過ぎも防げます。洗面台に設置するペーパーホルダーに比べ、非接触で紙を自動排出する方式は衛生面でも魅力です。普段から使用している設備ももっと手間が省けるものはないか、スタッフにヒアリングしてみるのもよいかもしれません。

細かな名もなき業務が複数あるとなかなか時間を作れず、思うように計画が進まないこともあります。効率化できる業務や自動化できる業務は省人化していきながら、浮いた時間を育成などの必要なことに費やしていくことが大切です。

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◆執筆者プロフィール◆
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部 観光フードグループ
大橋 隆人(おおはし・たかひと)
大学卒業後、船井総合研究所に新卒入社。飲食企業を実家に持つ。
事例主義を掲げ、現在は焼肉企業担当のコンサルタントとして全国の焼肉店を行脚し、新規出店、既存店活性化のコンサルティングに携わっている。
Google 広告や SNS 活用など Web 販促を中心に、現場に寄り添うサポートをおこなっている。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://funai-food-business.com/

(公開日 2024年2月26日)

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