中小企業の経営戦略を担う「船井総研」のコンサルタントが、さまざまな業種・業態の方向けに書き下ろしたコラムを掲載!
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【短期アルバイトで終わらせない!離職防止の取り組み事例】
コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の村上祐太(むらかみ ゆうた)です。
今回のコラムでは【短期アルバイトで終わらせない!離職防止の取り組み事例】と題して、アルバイト定着のポイントに関してお伝えいたします。
新型コロナウイルスの影響により営業が制限されていたり、そもそもの客数が減少したりしている状態から従来の営業に戻していくなかで、『せっかく採用した人材が離職してしまう』など人員が揃わず人手不足が続いているといった課題を抱える企業が多くあります。正社員よりもアルバイトの人数比率が高い飲食店。生産性を高めながらも人件費の適正化を行うにあたって重要になるのは、やはりアルバイトの定着と戦力化です。
アルバイトが早期離職してしまう大きな要因は下記2点です。
①現場の受け入れ態勢ができておらず、職場に馴染めない
②単純作業が続き、やりがいが感じられない
これらを解決するにあたり、有効な施策をご紹介いたします。
飲食店以外の業種を経営されている企業様にも役立つ内容です。
ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の村上祐太(むらかみ ゆうた)です。
今回のコラムでは【短期アルバイトで終わらせない!離職防止の取り組み事例】と題して、アルバイト定着のポイントに関してお伝えいたします。
新型コロナウイルスの影響により営業が制限されていたり、そもそもの客数が減少したりしている状態から従来の営業に戻していくなかで、『せっかく採用した人材が離職してしまう』など人員が揃わず人手不足が続いているといった課題を抱える企業が多くあります。正社員よりもアルバイトの人数比率が高い飲食店。生産性を高めながらも人件費の適正化を行うにあたって重要になるのは、やはりアルバイトの定着と戦力化です。
アルバイトが早期離職してしまう大きな要因は下記2点です。
①現場の受け入れ態勢ができておらず、職場に馴染めない
②単純作業が続き、やりがいが感じられない
これらを解決するにあたり、有効な施策をご紹介いたします。
飲食店以外の業種を経営されている企業様にも役立つ内容です。
ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
=今回のポイント=
■ アルバイト定着のための施策
■ アルバイトの定着率が高い企業の取り組み事例
■ 定着施策を導入する際の注意点
=========
■ アルバイト定着のための施策
■ アルバイトの定着率が高い企業の取り組み事例
■ 定着施策を導入する際の注意点
=========
■ アルバイト定着のための施策
アルバイト定着の第一のポイントは、受け入れ態勢ができているかどうかです。
新しくスタッフが入社し現場に入る際に、「既存のスタッフがそのことを知らない」「その日は受け入れ担当/教育担当が不在」などの状況になっていないでしょうか?
アルバイトの初期定着は、職場に慣れる・馴染むことができるかどうか、良好な人間関係が構築できそうかの要素で大きく左右されます。定着率の高い企業ほど入店日からの教育カリキュラムやコミュニケーション頻度を高める施策など、店長に属人的に任せるのではなく組織としての施策を整えている傾向にあります。
アルバイト定着の第一のポイントは、受け入れ態勢ができているかどうかです。
新しくスタッフが入社し現場に入る際に、「既存のスタッフがそのことを知らない」「その日は受け入れ担当/教育担当が不在」などの状況になっていないでしょうか?
アルバイトの初期定着は、職場に慣れる・馴染むことができるかどうか、良好な人間関係が構築できそうかの要素で大きく左右されます。定着率の高い企業ほど入店日からの教育カリキュラムやコミュニケーション頻度を高める施策など、店長に属人的に任せるのではなく組織としての施策を整えている傾向にあります。
■ アルバイトの定着率が高い企業の取り組み事例
アルバイト定着の第二のポイントは「やりがいがあるかどうか」です。
スタッフにやりがいを感じてもらいながらコミュニケーションをはかるための施策として多くの飲食店で取り入れられているのが、アルバイトの評価・キャリアアップ制度の導入と運用です。正社員に対しては評価制度に基づき給与・待遇を変化させる流れは当たり前になっていますが、これをアルバイトスタッフ用の内容で構築し運用するというものです。
このアルバイト評価制度は、「何がどこまでできるようになっているか」「あと何を習得すれば時給がアップするか」などを明確にし、定期的な面談を通して店長とコミュニケーションを密にとりながら運用することがポイントです。そのため、定着率の高い企業ほど3ヶ月に一度や2ヶ月に一度などコンスタントに運用しています。また、評価項目を業務内容やスキルベースで構築し、キャリアアップするたびに一部社員がおこなっている業務を権限委譲で任せることも有効です。スタッフに「任せてもらっている」「できることが増えた」と実感してもらうことがやりがいや所属意識につながり、定着率にも関係してきます。
アルバイト定着の第二のポイントは「やりがいがあるかどうか」です。
スタッフにやりがいを感じてもらいながらコミュニケーションをはかるための施策として多くの飲食店で取り入れられているのが、アルバイトの評価・キャリアアップ制度の導入と運用です。正社員に対しては評価制度に基づき給与・待遇を変化させる流れは当たり前になっていますが、これをアルバイトスタッフ用の内容で構築し運用するというものです。
このアルバイト評価制度は、「何がどこまでできるようになっているか」「あと何を習得すれば時給がアップするか」などを明確にし、定期的な面談を通して店長とコミュニケーションを密にとりながら運用することがポイントです。そのため、定着率の高い企業ほど3ヶ月に一度や2ヶ月に一度などコンスタントに運用しています。また、評価項目を業務内容やスキルベースで構築し、キャリアアップするたびに一部社員がおこなっている業務を権限委譲で任せることも有効です。スタッフに「任せてもらっている」「できることが増えた」と実感してもらうことがやりがいや所属意識につながり、定着率にも関係してきます。
■ 定着施策を導入する際の注意点
このように、アルバイトに対する評価制度を構築・運用することでスタッフの定着・戦力化を実践していただきたいと思いますが、ここで取り入れる際の注意点をお伝えします。それは下記3点です。
①アルバイトへの権限委譲を意識して項目を作成する
②正社員の役割と比較しながら同一労働同一賃金に適応した時給設定を行う
③運用は欠かさず定期的に行う
まず①に関してですが、店舗をまわすためのオペレーション業務(調理や接客のスキル)のみで構成してしまうと、時間をかけずにすぐに習得できてしまうケースがあります。短期的な定着や初期教育のためのステップとしては良いですが、中長期的に使用できる施策を考えなければ結局は離職につながりかねません。
そこで、いくつか段階を作り、簡単な管理業務やその補佐などの要素も取り入れ、お店全体の生産性を高めるために必要な人材を育成するツールという認識で構築していただければと思います。
②に関してですが、現在では同一の業務内容・責任が発生する場合は給与を同じ水準で支払わなければなりません。これは働き方改革関連法のひとつでもあります(同一労働同一賃金)。そのため、肌感覚で時給の賃金階層を作成し給与のルールを作成してしまうと正社員の賃金規定とかみ合わなくなり問題になる場合があります。
対処法としては、①で構築した役割・責任・能力が、正社員のどのくらいの給与の人物と同じなのかを比較するなどし、慎重に構築を進めてください。
③に関しては構築ではなく、運用段階における注意点となります。
多くの企業で見られるパターンとして、運用を開始したものの繁忙期やその他の事情でうまく活用できておらず、不定期での運用が散見されます。こうなるとスタッフからは不満の声が上がります。せっかく運用できるタイミングで実施しても、「ただチェックさせられている」などやらされ仕事になってしまい不信感につながります。
制度を導入する際は、運営しているお店の業態や季節感を考慮しながら運用頻度と時期を考え、無理なく運用できる頻度で設定することを心がけてください。
人に関するテーマは、何か問題が起きたり、人員体制が深刻な状態になったりしない限り後回しにされがちです。しかし、上手くスタッフを定着させ人員体制を整えている企業ほど先手先手で取り組んでいるテーマでもあります。
ぜひ、今回のコラムを貴社での取り組みを見直すきっかけにしていただければ幸いです。
このように、アルバイトに対する評価制度を構築・運用することでスタッフの定着・戦力化を実践していただきたいと思いますが、ここで取り入れる際の注意点をお伝えします。それは下記3点です。
①アルバイトへの権限委譲を意識して項目を作成する
②正社員の役割と比較しながら同一労働同一賃金に適応した時給設定を行う
③運用は欠かさず定期的に行う
まず①に関してですが、店舗をまわすためのオペレーション業務(調理や接客のスキル)のみで構成してしまうと、時間をかけずにすぐに習得できてしまうケースがあります。短期的な定着や初期教育のためのステップとしては良いですが、中長期的に使用できる施策を考えなければ結局は離職につながりかねません。
そこで、いくつか段階を作り、簡単な管理業務やその補佐などの要素も取り入れ、お店全体の生産性を高めるために必要な人材を育成するツールという認識で構築していただければと思います。
②に関してですが、現在では同一の業務内容・責任が発生する場合は給与を同じ水準で支払わなければなりません。これは働き方改革関連法のひとつでもあります(同一労働同一賃金)。そのため、肌感覚で時給の賃金階層を作成し給与のルールを作成してしまうと正社員の賃金規定とかみ合わなくなり問題になる場合があります。
対処法としては、①で構築した役割・責任・能力が、正社員のどのくらいの給与の人物と同じなのかを比較するなどし、慎重に構築を進めてください。
③に関しては構築ではなく、運用段階における注意点となります。
多くの企業で見られるパターンとして、運用を開始したものの繁忙期やその他の事情でうまく活用できておらず、不定期での運用が散見されます。こうなるとスタッフからは不満の声が上がります。せっかく運用できるタイミングで実施しても、「ただチェックさせられている」などやらされ仕事になってしまい不信感につながります。
制度を導入する際は、運営しているお店の業態や季節感を考慮しながら運用頻度と時期を考え、無理なく運用できる頻度で設定することを心がけてください。
人に関するテーマは、何か問題が起きたり、人員体制が深刻な状態になったりしない限り後回しにされがちです。しかし、上手くスタッフを定着させ人員体制を整えている企業ほど先手先手で取り組んでいるテーマでもあります。
ぜひ、今回のコラムを貴社での取り組みを見直すきっかけにしていただければ幸いです。
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国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/
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(公開日 2022年8月26日)