実際にどのような経路で、病原体が体の中に侵入するのか。接触感染の代表的なケースである「ノロウイルス」を通して見ていきましょう。
ノロウイルスの感染経路(一例)
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1感染した人が嘔吐
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2病原体に汚染された汚物を処理
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3手などを介して体の中にウイルスが侵入
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4感染
やってはいけない汚物処理の方法
素手で汚物処理
手に菌が付着し、ノロウイルスに感染する恐れがあります。
ユニフォームのまま
ノロウイルスが付着し、感染拡大の恐れがあります。
複数人で処理
感染拡大を防ぐため、処理者以外は近づかないようにします。
窓を閉めたまま
換気を行い、室内のウイルスを減らすことが大切です。
水拭きだけ
水拭きだけでは、ノロウイルスの消毒まではできません。
汚物を乾燥させてから
乾燥すると細かな粉塵になり、感染拡大の原因になります。
汚物を処理する際に、上記のようなやり方で行うと、作業者が感染する恐れがあります。適切な汚物処理をするための道具と説明書がセットになった「汚物の処理ツールBOX」があるので、そちらを活用しましょう。
事業所を脅かす感染症は、食中毒だけではありません。インフルエンザもまた注意しなければならない問題。空気を介して感染すると思われるインフルエンザですが、実は接触感染もします。それでは、その経路を見ていきましょう。
インフルエンザの感染経路(一例)
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1感染した人が口を手で押さえる
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2その手でドアノブやスイッチなどに触れる
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3感染していない人が汚染された箇所に触れる
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4手を介して体の中に病原体が侵入
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5感染
対策はこうして…
除菌の徹底
アルコール除菌剤などで、菌が付着している可能性がある箇所を清掃。
非接触化
人が触れる箇所を極力減らす。オートディスペンサーのハンドソープ使用など。
今回は3つの感染経路の中から、「接触感染」についてご紹介しました。次回は、「飛沫感染」「空気感染」について取り上げます。感染は、介護施設や病院に限らず、さまざまな事業所で起こり得る問題。まずは、接触感染の対策から徹底しましょう。