ニュースでもたびたび話題に上がる「集団感染」。多くの方が感染し、種類によっては生命に関わるケースも少なくありません。「感染症」は、瞬く間に施設内にひろがる可能性がある恐ろしい存在。スタッフや利用者を守り、社会的責任を果たすためにも、事業の種類を問わず意識しなければいけない問題です。
万が一「感染症」が発生した場合は、施設利用者の健康を脅かすだけでなく、事業の行方を左右することにもなりかねません。そのような事態を起こさないためにも、施設における感染症予防対策は必須事項です。この機会に「感染」について考えてみませんか?
<防ぐために知ることから「感染」のメカニズム①>
細菌やウイルスが、どういった経路をたどって人の体内に侵入するのかご存じですか? 施設内で恐ろしい感染症を流行させないためにも、まずは感染のメカニズムを知ることからはじめましょう。
※こちらのコンテンツの内容は2018年7月時点の情報です。
施設全体を震え上がらせる「感染症」
「感染症」って、なに?
● 感染症とは
細菌やウイルスなどの病原性微生物が人の体の中に侵入して、さまざまな症状を引き起こすもの。人からだけでなく、動物から、食べ物から、空気・水・土からなど、さまざまなところから感染の可能性があります。ただ感染しても全員が発症するとは限りません。症状が現れなくても、菌を体の中に保有している状態のため、知らず知らずのうちに感染拡大の原因になることもあります。
感染症を引き起こす代表的な細菌・ウイルス
細菌
- MRSA
(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) - レジオネラ属菌
- 緑膿菌
- 結核菌
- 腸管出血性大腸菌O-157
など
ウイルス
- インフルエンザウイルス
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- 肝炎ウイルス
- HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
など
「細菌」と「ウイルス」って、一体なにが違うの?
細菌とは
単細胞生物の細菌。体内で定着して細胞分裂を繰り返し、自己増殖。人の細胞に侵入したり、毒素を出して細胞を障害します。
ウイルスとは
細胞をもっていなく、単独で増殖できないウイルス。人の細胞の中に侵入して増殖。細胞内のエネルギーを消耗させます。
細菌やウイルスは主に3つの経路から体に侵入します
主な感染経路としては、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」があります。対処の方法もそれぞれなので、まずは感染経路について知り、その上で対策を立てましょう。
今回は、飲食店をはじめ、さまざまな事業所で起こる可能性がある食中毒と関わりが深い、「接触感染」についてご紹介します。