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【スタッフの定着率向上を実現するコミュニケーション方法】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の中山樺奈(なかやま かな)です。

今回は、スタッフの定着率向上を実現するコミュニケーション方法についてお伝えします。
【スタッフの定着率向上を実現するコミュニケーション方法】
=今回のポイント=
■ 定着率とコミュニケーション
■ コミュニケーションの効果を高めるポイント
■ スタッフの定着率向上に向けて
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■ 定着率とコミュニケーション
飲食店の定着率は年々、重要視されています。といいますのは、人材不足の深刻化により採用費が高騰しており、最低賃金も年々上昇しているためです。
企業としては、なるべく採用費をかけないために、一度獲得した人材の流出を避けたく、また、最低賃金が高額になるのであれば、なるべくスキルの高い人材に長く働いてもらいたいと考えるのが当然でしょう。
今後企業が目指すべき姿は「スタッフが辞めない店舗づくり」です。

ところで皆さんは、スタッフが辞める理由の多くは何か、知っていますか?
それは「人間関係」です。
「人間関係」は、そもそもコミュニケーションがなければ構築されません。
また、コミュニケーションは「対話」と言い換えることができます。
「対話」をすることで、相手の性格や考え、趣味などがわかり、相手を深く知ることができるのです。
たとえば、スタッフのAさんが仕事中に元気がなかったとしましょう。対話がなければ、なぜ元気がないのかが全くわかりません。しかし、以前に話したとき、バイトの前日に部活の大事な試合があるのだとAさんが自分に伝えてくれていたとします。であれば、Aさんがなぜ落ち込んでいるのか、想像できませんか?もちろん違う理由もあるかもしれませんが、会話のきっかけを掴んだり、適切な行動を取れる可能性が高まるはずです。きっとAさんにとっても、落ち込んでいるときに気にかけてくれた事実は嬉しいことだと思います。
このように「人間関係」は築かれていくのです。

マズローの欲求5段階説では、人間の欲求は「生理的欲求」「安全の欲求」の低次欲求から、「社会的(親和)欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」という高次要求へと続きます。社会的(親和)欲求と承認欲求は、対人間のコミュニケーションがなければ実現することはできません。
社会的(親和)欲求とは、集団に所属したい、仲間でいたいという欲求のことです。具体的には、家族や友人、会社などから受け入れられたいと願う欲求です。
社会的欲求が満たされない場合は、多くの人が孤独を感じ、エスカレートすると鬱などになりやすい側面もあり、人間にとっては所属できる集団が必要不可欠だといえます。
次に、承認欲求とは、「自分を見てほしい」「話を聞いてほしい」「誰かに褒めてほしい」といった「他者から認められたい」という欲求です。一般的な「出世欲」もこの承認欲求に当てはまると考えられています。
承認欲求を満たすことは働くモチベーションにも繋がり、自分自身を成長させる原動力にもなりえるのです。

このように、対人間のコミュニケーションがあるからこそ上記の欲求は満たされ、イキイキと働くことができ、定着率向上にも繋がるのです。
■ コミュニケーションの効果を高めるポイント
より効果的なコミュニケーションをスタッフと築くためにはどうすれば良いのか。
これも先述したように、人間の欲求に従うことで効果的に実行できます。

まず、社会的(親和)欲求を満たすために、同じ店舗で働くスタッフの一員として認めてあげましょう。
・同じ連絡チャットグループに追加する
⇒既存スタッフと新人スタッフで情報の偏りがないようにしましょう。
・同じネームプレートを付けてあげる
⇒ひとりだけ見栄えが違うというようなことは避けましょう。チームとしての一体感を生むために、同じ見栄えを心がけましょう。お客様からの印象も良く映ります。
・既存スタッフの話の輪の中に入れてあげる
⇒やはり話の輪に入れなければ疎外感が生まれます。共通の話題を探して、日頃から会話することを心がけましょう。

私が以前勤めていた店舗では、入社をすると、店舗に掲示されている黒板に自分の名前が追加されました。スタッフの一員になれた気がして、それがとても嬉しかった記憶があります。
上記は一例にはなりますが、スタッフがスタッフの一員と思える行動は、他にもたくさんあるでしょう。ぜひ、各店できることを考え、進めてあげてください。

次に、承認欲求を満たすために、スタッフの成果を認めてあげる環境をつくりましょう。
・主体性のあるメンバーには役職をつけてあげる
⇒「バイトリーダー」「清掃リーダー」「調理リーダー」等、役割を与えることで承認欲求が満たされます。もう一つのメリットとして、店長以外への権限委譲があげられます。これにより、店長の管轄業務も削減できます。
・表彰式を開催する
⇒「皆勤賞」「シフト貢献賞」「顧客満足度賞」等、何気ないことであっても表彰されると承認欲求が満たされます。ぜひ半年に一度、一年に一度でも、このような機会をつくってあげてください。
・日頃より成果が「見える化」できる仕組みをつくる
⇒日々の通常業務でも、「デザート販売数」「3分以内にドリンクを作れた回数」「15分以内に料理を提供できた回数」等を紙にカウントすることで、スタッフの頑張りが目に見えやすくなります。これにより、普段は目が届かなかったとしてもスタッフを褒めることができます。

このように、コミュニケーションを取る=対話する、だけではなく、上記のような方法でもコミュニケーションが生まれます。スタッフの欲求をうまく満たしながら定着率向上が実現できます。
■ スタッフの定着率向上に向けて
ここまでの内容で、コミュニケーションを取ることにより定着率向上に繋がることがご理解いただけたかと思います。
最後に、この時期に注意していただきたい「スタッフの離職の要因」についてお伝えします。それは、ゴキブリの出現です。納得された方も多いのではないでしょうか。
コミュニケーションが取れて、円満な職場であっても!ゴキブリが発生しているとなれば、話は別です。ゴキブリは離職の要因のみならず、食中毒菌の媒介、店舗イメージや売上の低下、店舗機材トラブル等にも繋がりかねません。これからの時期、しっかりと対策してほしいところです。
ダスキンのゴキブリ駆除サービスであれば、営業時間中でも短時間でサービスを受けることができます。閉店後に駆除業者へ鍵を渡し…といった手間もありません。使用する薬剤は数種類あり、場所や目的に合わせて使い分けるため市販薬よりも効果的です。食器類の片付けや洗浄の必要がない点が好評です。定期的なサービスで、常に衛生的な環境を保ちましょう。

スタッフとのコミュニケーションを実施しながら、店舗の衛生状態についても意識し、今後の人材不足や最低賃金の高騰に負けない、従業員が定着する店舗を目指していきましょう。

今回はスタッフの定着率向上を実現するコミュニケーション方法についてお伝えしました。無料かつ即実施できるものですので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

▼関連コラム
【アルバイトを定着させるために店長が実施すべきこと】
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【飲食店の人材育成方法大公開】
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【店内の人間関係が向上するコミュニケーション術】
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◆執筆者プロフィール◆
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部 観光フードグループ
中山 樺奈(なかやま・かな)
大学卒業後、新卒で船井総合研究所に入社。入社後はWebシステムを活用した現場の生産性向上コンサルティングに従事。「組織の一体化」をテーマにおこなう社内育成環境の構築や店舗マネジメント研修は全国各地の飲食店で定評がある。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2024年8月22日)

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