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【スタッフ育成方法 ~事例大公開~】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の中山樺奈(なかやま かな)です。

今回はスタッフ育成方法をテーマに、3つのポイントに沿って事例を紹介しながらお伝えいたします。
【スタッフ育成方法 ~事例大公開~】
=今回のポイント=
■ “スキルチェックの実施”でスタッフ育成成功事例
■ “役職の付与による権限委譲”でスタッフ育成成功事例
■ “売上目標の共有と意識”でスタッフ育成成功事例
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■ “スキルチェックの実施”でスタッフ育成成功事例
スタッフ育成をするためには、スキルチェックシートは絶対に用意していただきたいと考えています。スキルチェックをすることで現在のスタッフレベルが把握できます。それと同時に、スタッフが今後、目指すべきレベルを設定できます。これにより、PDCAを回しながらスタッフを育成することができるのです。
実際にスキルチェックを運用している店舗では、下記のポイントをおさえてスキルチェックを実施しています。

① スキルチェック項目の設定
まずは業務の洗い出しをおこないます。営業開始から終了までに実施することを書き出してください。それらにプラスして「QSC」=「Q:クオリティー」「S:サービス」「C:クレンリネス」の項目を追加すると、より店舗運営において効果のあるスキルチェック項目の設定ができます。

② スキルチェック運用スケジュールの設定
スキルチェックの実施において最も大事なのは項目ではありません。スケジュールを設定し、確実に定期的にスキルチェックを実施することです。スキルチェックはチェックをして終わりではなく、スキルチェックを定期的に実施しながらPDCAを回し、最終的には「できなかったことが、できるようになる」ことに意味があります。
必ず、半年に一度や四半期に一度など、実施する日程を決めてから進めてください。
また、スケジュールが決まればスタッフへの告知が必要です。スタッフがスキルチェックの実施日程を把握している状態にしてください。

③ 運用
スキルチェック運用の流れは、「自己評価」→「他己評価」→「フィードバック」です。また、評価方法は“できる”“できない”の二択でチェックして下さい。
運用の流れで最も重要なのは「フィードバック」です。フィードバックのないスキルチェックは実施する意味がないと言ってもいいほどです。
フィードバックの場で評価者にしていただきたいことは2点です。1点目は、自己評価と他己評価の違いを確認すること。2点目は、次回のスキルチェックに向けて目標を設定することです。
2点をフィードバックする際には、振り返りシートや目標設定シートなどを準備しておくと目標の確認ができるため、より効果的です。
■ “役職の付与による権限委譲”でスタッフ育成成功事例
皆さんはスタッフへの権限委譲を進めていますか?
スタッフに権限委譲をするためにおこなって欲しいことは、スタッフへの役職の付与です。役職というと難しく考えてしまうかもしれませんが、掃除が得意なスタッフを「清掃リーダー」、サービスが得意なスタッフを「サービスリーダー」というように、そのスタッフが得意とする分野を役職名として設定していただければ問題ございません。
そうすることで、スタッフに責任感が生まれます。

ある店舗ではスタッフに役職をつけたところ、「サービスリーダー」に任命されたスタッフがサービスマニュアルを作ってくれたり、「清掃リーダー」としたスタッフは清掃チェック表を作成してくれたりと、主体的に動いてくれるようになりました。
店長から何か指示を出したわけではありませんが、役職への責任感から、店舗をより良くするために自ら動いてくれたのです。
■ “売上目標の共有と意識”でスタッフ育成成功事例
最後に、皆さんは売上目標の共有をスタッフ全員にしていますか?
店舗の売上目標という、唯一、店舗全員が意識できる目標を掲げることで、団結力が生まれます。スタッフの雰囲気がガラッと変わり、スタッフの成長スピードが大きく変化します。
スタッフの皆さんは、それぞれ個人の目標を持って働いていると思います。例えば「お金を貯めて好きなアイドルのライブに行きたい」「広い部屋に引っ越してインテリアにお金をかけたい」「将来は自分のお店を持ちたい」などです。それらに加えて「店舗の売上目標を達成する」という、店舗での共通目標があればどうでしょうか。

ある店舗では、売上目標の達成に向けて、バイトリーダーを中心に皆でテーマを決めたそうです。
・追加注文をしてもらうためにお客様に商品のおススメをしよう
・お客様に気持ちよく注文してもらえるように店内の清掃を強化しよう
・再来店をしてもらえるように来店対応と退店対応を丁寧にしよう

上記の実施策のように、売上を獲得するためには、店内の清潔さと店頭での対応は重要なポイントとなります。清潔な店舗は顧客満足度を高め、再来店率も上がります。

店内の清潔さを維持するアイテムとして、ひとつご紹介します。それは、オーダーメイドマットです。皆さんの店舗では、ドア前の足元にマットを敷いているでしょうか。店舗内への汚れの持ち込みを抑え、雨の日には靴などの水滴を吸収する目的がありますが、ダスキンではマットの基本機能はそのままに、店舗のコンセプトに合わせて選べるオーダーマットが好評です。飲食店、物販店、医療施設など、業種・業態に応じて約700種類のデザインが用意されています。
「空間演出マット」インサイド(屋内専用オーダーメイドマット)であれば、37色の多彩なカラーを用いてオリジナルデザインを再現したマットも作れます。厚さ約6mmと薄型設計であり、ドアの開閉もスムーズながら高性能な商品です。オリジナル商品であっても2週間ごとに洗浄した綺麗なマットに交換するため、買い取りのマットと違い、清掃の手間は一切不要です。きれいな状態を維持しながら、店舗の顔ともいえるエントランスを彩ることができます。

さて、売上目標を共有した店舗は結果的に、年末に店舗の最高月商を達成したそうです。また、全員で目標を達成したことにより、スタッフ同士の団結も強くなり、士気が格段に上がったそうです。この事例からも、売上を共有するのは店長クラスだけ、と決めつけるのではなく、スタッフにもぜひ共有していただきたいと思います。

ここまで、スタッフ育成についてお伝えしました。私がスタッフの育成をおこなう上で大事だと思っていることは、スタッフに考えさせて「動いてもらう」ということです。育成のために行動を事細かく説明したところで、一時的には効果的かもしれませんが、長く働いてもらうとなると、毎回説明するわけにはいきません。また、やらされ仕事になり、スタッフが負担に感じれば、こちらはスタッフの育成を望んでいたのに、辞めてしまうことにも繋がりかねません。
次の行動を自ら主体的に考え、動いてもらうためには、「何のために」「どうしたら良いのか」を意識して働いてもらうことが重要だと考えています。
今までお伝えしたスキルチェックも、役職の付与も、売上目標も、「自分のために」「お店のために」、それには「こうしよう」とスタッフが主体的に動いてくれるようになることが育成の正解だと思います。

以上、事例に基づいたスタッフ育成方法でした。ぜひ皆さんにも取り組んでいただきたいと思います。

▼関連コラム
【効果的に人材育成を行う方法① ~新人育成編~】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_106.html
【効果的に人材育成を行う方法② ~中堅スタッフ編~】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_107.html
◆執筆者プロフィール◆
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部 観光フードグループ
中山 樺奈(なかやま・かな)
大学卒業後、新卒で船井総合研究所に入社。入社後はWebシステムを活用した現場の生産性向上コンサルティングに従事。「組織の一体化」をテーマにおこなう社内育成環境の構築や店舗マネジメント研修は全国各地の飲食店で定評がある。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2024年9月13日)

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