厨房衛生大事典Kitchen Sanitary Encyclopedia

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<「掃除の哲人」養成講座②>

清掃作業の
「仕組み化」
こうして

清掃作業の「仕組み化」はこうして

前回はクレンリネスの基本と、清掃作業の前に心がけたい
「整理整頓」について紹介しました。
そして今回は具体的な清掃作業に対する考え方と、「仕組み化」の進め方についてお話ししていきましょう。ちょっとした工夫で、これまで徹底できなかった清掃作業が上手く回り始めるかもしれませんよ。
※こちらのコンテンツの内容は2015年10月時点の情報です。

清掃作業の意味を再度確認しておきましょう

仕組みを考える前に確認しておきたいこと、それは「清掃作業」についてスタッフがどのような意識を持っているかをしっかり把握しておくことです。
スタッフの動きはどうですか?いつも同じ作業を漫然と行っている雰囲気はありませんか?
「なぜその作業をするのか」「その作業をすることで得られる成果は何か」といった、「清掃作業の意味」を明確化し、常に意識しておくことが、衛生環境の構築に不可欠な要素となります。

  • ●食の安全を維持する
    (事故を起こさない)
  • ●お客様に好印象を与える
    (お客様を逃さない)
  • ●自分たちの作業環境を快適化・効率化する

など、衛生的な環境から得られる成果を再確認し、適切に行うよう意識づけすることが大切です。 ミーティングなどを通じて、定期的に確認しておきましょう。

クレンリネスを実現するための工夫とは

  1. 清掃する場所を決める

    店内で衛生状態を保つべき場所を決めることで、どの部分に意識を注ぐべきかを明確にします。清掃に参加する全スタッフに、きれいにしなければならないと考える場所を「投票」してもらいます。できるだけたくさん挙げてもらい、きれいにすべき場所を整理します(多くの票が集まった場所ほど清掃の必要性が高い)。このとき、清掃個所ごとに清掃時の注意点などがあれば、あわせて挙げてもらいます(ガラスの指紋が目立つ/機器のすき間も掃除する 等)。

  2. 清掃に関しての決まり事を確認する

    清掃が必要として挙げられた場所も、汚れの度合いには差があります。そこで、場所を決めたらまずは清掃頻度を決めていきます。毎日複数回行う場所、1日1回行う場所、何日かに1回行う場所など、これまでの清掃の状況から判断していきましょう。
    続いて、作業の方法や使用する道具も確認しておきましょう。作業のレベルがスタッフごとに異なると、お店全体のクレンリネスが保てなくなりますので、望ましい仕上がりの状態を写真などに収め、スタッフの目に入りやすい場所に掲示しておくといいでしょう。
    また、作業を行うタイミングも明確にします。開店前や閉店後、あるいは1日に複数回行うならアイドルタイムなどを含め、「何時に行う」と具体的に決めておく方が徹底できます。清掃にかける時間も目安として決めておきましょう。

  3. 担当者を決め、表を作成する

    場所と頻度が決まったら、それぞれの作業ごとに担当者を決めていきます。担当者が決まったら、作業場所と頻度、担当者を1枚の表にまとめ、全スタッフが確認しやすい場所に貼り出しましょう。

    例)場所や頻度などを一覧表に 清掃場所と内容、頻度がおおよそ固まったら、まずは一覧表を作成して漏れがないかチェックします。その後、より詳しい情報を載せた表を作成し、店内バックヤードなどに貼り出します。
  4. ミーティングなどで徹底する

    清掃作業の手順がすべて決まったら、各スタッフの動きが分かるスケジュール表と、清掃作業確認表を作成し、それをもとに店内ミーティングを実施して、作業への意識を高める機会をつくります。
    その際気をつけたいのは、作業の内容や手順について、スタッフが「押しつけられた」という印象を持たれないこと。話し合いの中では、冒頭に挙げたように「何のためにこの作業を行うのか」を再確認するとともに、スタッフからの意見も取り入れることで、全員が自発的に取り組めるムードをつくりましょう。

  5. チェックできる表を作成し、作業状況を確認する

    清掃作業の実施にあたっては、リーダーが作業の状況をチェックできるようにします。リーダーが確認すべき項目は、

    • ●清掃作業を実施したかどうか
    • ●清掃の仕上がり具合は適切かどうか
    • ●スケジュールどおり、目安の時間内にできたかどうか

    の3つが主なポイントとなります。これらのポイントがクリアできていなければ、担当スタッフとクリアするための方法をしっかり確認し合うことが大切です。

    1回の作業終了ごとにチェックを入れ、リーダーは作業状況を確認してチェック。問題ありと判断した場合は、その旨を担当者に告げ、再確認します。

「自己満足」に終わらず、客観的な視点でチェック

このような形で、これまでスタッフの判断に任されがちだったクレンリネスを「仕組み化」することによって、自分が成すべきことが明確化でき、作業効率のアップが期待できます。ただし、しっかり作業できているかどうかは、お客様の立場に立ってみないと見落としてしまうことも多いもの。チェックを担当するリーダーは、スタッフという立場をだけではなく、客観的な視点からしっかりチェックすることが望まれます。また、清掃作業の内容は季節や繁忙期かどうかなどによっても変わるため、定期的に見直し、作業のローテーションも月ごとなど定期的に調整することもポイントです。

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