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【定着率を上げるためのアルバイト評価制度(後編)】
コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の中山樺奈(なかやま かな)です。
前編では、定着率を上げるためのアルバイト評価制度の“作り方”についてお伝えしました。今回の後編では、定着率を上げるためのアルバイト評価制度の“運用方法”についてお伝えいたします。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の中山樺奈(なかやま かな)です。
前編では、定着率を上げるためのアルバイト評価制度の“作り方”についてお伝えしました。今回の後編では、定着率を上げるためのアルバイト評価制度の“運用方法”についてお伝えいたします。
=今回のポイント=
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の運用方法
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度をより良くするために
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の他社事例
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■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の運用方法
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度をより良くするために
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の他社事例
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■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の運用方法
まず「定着率を上げるためのアルバイト評価制度の運用方法」についてですが、ここで注目していただきたいのは、あくまで“定着率をあげるため”であり、“スキルアップをするため”という意味ではないというところです。
もちろん、勤務する期間が長ければ長いほどスキルは高まっていく傾向にあるため、結果的にスキルアップにも繋がってはいきますが、大前提として、ここでは定着率を上げるための評価制度の運用方法であることをご理解ください。
「定着率を上げるための評価制度の運用方法」の大まかな流れは下記のとおりです。
① スケジュールを設定&公開する
② 評価項目を公開する
③ 自己評価をする
④ 他己評価をする
⑤ フィードバックをする
⑥ 次回の目標を設定する
① まずはスケジュールを設定&公開する
飲食店店長は、アルバイトの評価期間・自己評価・他己評価・フィードバックのスケジュールの設定をお願いいたします。まずは、「働いていれば時給が貰えるだろう」というアルバイトの意識を変えるところから始める必要があります。スケジュールが決まりましたら、従業員への共有をお願いいたします。また、可能であれば年間でのスケジュール設定をしてください。年間での評価制度の実施スケジュールの共有はモチベーションにも繋がり、効果的です。
② 評価項目を公開する
評価項目を、すでにアルバイトを含めた従業員に公開している店舗もあるかと思いますが、“定着率を上げるための評価制度”として運用するためには、やはり評価項目の公開が効果的です。これにより、やはり評価されたい従業員たちは評価期間中に自身の行動を意識するはずです。意識をしたことにより評価された・認められたという経験が、定着には重要となります。何を評価されているのかがわからないまま評価期間が終わってしまった・・・ということがないように進めてください。
飲食店店長の中には「評価期間だけ意識して、他の期間は業務が手抜きになるのでは?」と心配をされる方もいますが、ここでは「意識(行動)すれば認められる職場」であると理解をしてもらうことがポイントなのです。そのことが定着に繋がるので心配はございません。
③ 自己評価をする
次に、自身の行動に対して自己評価をしてもらってください。「できている」か「できていない」かの二択とすることがポイントです。「どちらともいえない」という選択肢は設定しないようにしてください。
④ 他己評価をする
ここでの他己評価とは、従業員同士のものではありません。飲食店店長から見た他己評価をお願いいたします。こちらは従業員が記入した自己評価を見ずに実施してください。もしも見ながら行うと、その結果に引っぱられてしまう場合があるからです。
必ず、④の他己評価をおこなった後に、③の自己評価を確認し、比較するようにしてください。
⑤ フィードバックをする
自己評価と他己評価が揃えば、それに応じたフィードバックをお願いいたします。フィードバックの方法ですが、自己評価と他己評価の差を見比べ、なぜ差が出ているのかを伝えてあげてください。
例えば、自己評価では〇、他己評価では✕だったとします。その場合は、なぜ〇だと思ったのかを従業員に確認し、「それプラス、~~~をしてくれると〇にできる!」というように、具体的な業務や動作に落とし込んで伝えてあげてください。なぜ自己評価と他己評価の違いが出たのか、理由を明確に伝えることが重要です。
また、自己評価が✕、他己評価が〇だった時も同様です。自己評価と他己評価の違いについて、理由を明確にしてください。この場合、自己評価が低い従業員は仕事への意識が高い傾向にあります。「他己評価は〇だけど、自己評価は~~~ができていないので、✕だと思った」というような話が出るようであれば、そのできていなかった部分については次回の評価制度時に追加を検討してもよいかもしれません。
評価制度の項目設定は、運用をしていく中で随時、追加や変更をして進化させていくことをおすすめします。項目は固定せず、より効果の出る評価制度を策定していきましょう。
⑥ 次回の目標を設定する
最後に、次回の目標を従業員と一緒に設定しましょう。フィードバック後に、どの項目が〇になるように次回の評価時までに取り組むのか、設定をお願いいたします。こちらは面談で実施しながら「目標設定シート」を作成し、紙に記入して残してください。そうすることで目標を忘れず意識ができ、とても効果的です。さらには、その「目標シート」を従業員の控室などに貼り付けることで、仲間の目標が確認でき、触発されるため、良い相乗効果が生まれます。
従業員の控室や更衣室といえば、ぜひこれからの時期におすすめしたいものがあります。それは加湿器です。冬に向けて空気が乾燥するこの季節は、店舗内はもちろんのこと、控室や更衣室、廊下の湿度管理が重要です。湿度が下がることで流行する感染症が増えるのもこの季節です。特に秋・冬は暖房などで特に乾燥する季節ですので加湿を意識してください。そして、加湿器自体を清潔に保つことも重要です。
ダスキンの「ハイブリッド式加湿器」であれば、抗菌気化フィルターだけでなく、トレイカバーも定期的に交換します。高機能と清潔が持続するため、こういった機器はレンタルをおすすめします。そして、古い機器に比べて経済的でもあります。ハイブリッド加湿器は、温風気化式運転で急速に加湿したあとは自動で気化式に切り替わります。気化式ではヒーターをオフにし、省エネで加湿機能を維持するため、電気代も抑えられるのです。
話を戻しますが、従業員ができていなかったことができるようになることも店舗にとってメリットではありますが、何より、次回の評価までに何を意識して働くのかが決まることで、日々の労働に対する意識が変わり、アルバイトが辞めにくい職場をつくることができるのです。
まず「定着率を上げるためのアルバイト評価制度の運用方法」についてですが、ここで注目していただきたいのは、あくまで“定着率をあげるため”であり、“スキルアップをするため”という意味ではないというところです。
もちろん、勤務する期間が長ければ長いほどスキルは高まっていく傾向にあるため、結果的にスキルアップにも繋がってはいきますが、大前提として、ここでは定着率を上げるための評価制度の運用方法であることをご理解ください。
「定着率を上げるための評価制度の運用方法」の大まかな流れは下記のとおりです。
① スケジュールを設定&公開する
② 評価項目を公開する
③ 自己評価をする
④ 他己評価をする
⑤ フィードバックをする
⑥ 次回の目標を設定する
① まずはスケジュールを設定&公開する
飲食店店長は、アルバイトの評価期間・自己評価・他己評価・フィードバックのスケジュールの設定をお願いいたします。まずは、「働いていれば時給が貰えるだろう」というアルバイトの意識を変えるところから始める必要があります。スケジュールが決まりましたら、従業員への共有をお願いいたします。また、可能であれば年間でのスケジュール設定をしてください。年間での評価制度の実施スケジュールの共有はモチベーションにも繋がり、効果的です。
② 評価項目を公開する
評価項目を、すでにアルバイトを含めた従業員に公開している店舗もあるかと思いますが、“定着率を上げるための評価制度”として運用するためには、やはり評価項目の公開が効果的です。これにより、やはり評価されたい従業員たちは評価期間中に自身の行動を意識するはずです。意識をしたことにより評価された・認められたという経験が、定着には重要となります。何を評価されているのかがわからないまま評価期間が終わってしまった・・・ということがないように進めてください。
飲食店店長の中には「評価期間だけ意識して、他の期間は業務が手抜きになるのでは?」と心配をされる方もいますが、ここでは「意識(行動)すれば認められる職場」であると理解をしてもらうことがポイントなのです。そのことが定着に繋がるので心配はございません。
③ 自己評価をする
次に、自身の行動に対して自己評価をしてもらってください。「できている」か「できていない」かの二択とすることがポイントです。「どちらともいえない」という選択肢は設定しないようにしてください。
④ 他己評価をする
ここでの他己評価とは、従業員同士のものではありません。飲食店店長から見た他己評価をお願いいたします。こちらは従業員が記入した自己評価を見ずに実施してください。もしも見ながら行うと、その結果に引っぱられてしまう場合があるからです。
必ず、④の他己評価をおこなった後に、③の自己評価を確認し、比較するようにしてください。
⑤ フィードバックをする
自己評価と他己評価が揃えば、それに応じたフィードバックをお願いいたします。フィードバックの方法ですが、自己評価と他己評価の差を見比べ、なぜ差が出ているのかを伝えてあげてください。
例えば、自己評価では〇、他己評価では✕だったとします。その場合は、なぜ〇だと思ったのかを従業員に確認し、「それプラス、~~~をしてくれると〇にできる!」というように、具体的な業務や動作に落とし込んで伝えてあげてください。なぜ自己評価と他己評価の違いが出たのか、理由を明確に伝えることが重要です。
また、自己評価が✕、他己評価が〇だった時も同様です。自己評価と他己評価の違いについて、理由を明確にしてください。この場合、自己評価が低い従業員は仕事への意識が高い傾向にあります。「他己評価は〇だけど、自己評価は~~~ができていないので、✕だと思った」というような話が出るようであれば、そのできていなかった部分については次回の評価制度時に追加を検討してもよいかもしれません。
評価制度の項目設定は、運用をしていく中で随時、追加や変更をして進化させていくことをおすすめします。項目は固定せず、より効果の出る評価制度を策定していきましょう。
⑥ 次回の目標を設定する
最後に、次回の目標を従業員と一緒に設定しましょう。フィードバック後に、どの項目が〇になるように次回の評価時までに取り組むのか、設定をお願いいたします。こちらは面談で実施しながら「目標設定シート」を作成し、紙に記入して残してください。そうすることで目標を忘れず意識ができ、とても効果的です。さらには、その「目標シート」を従業員の控室などに貼り付けることで、仲間の目標が確認でき、触発されるため、良い相乗効果が生まれます。
従業員の控室や更衣室といえば、ぜひこれからの時期におすすめしたいものがあります。それは加湿器です。冬に向けて空気が乾燥するこの季節は、店舗内はもちろんのこと、控室や更衣室、廊下の湿度管理が重要です。湿度が下がることで流行する感染症が増えるのもこの季節です。特に秋・冬は暖房などで特に乾燥する季節ですので加湿を意識してください。そして、加湿器自体を清潔に保つことも重要です。
ダスキンの「ハイブリッド式加湿器」であれば、抗菌気化フィルターだけでなく、トレイカバーも定期的に交換します。高機能と清潔が持続するため、こういった機器はレンタルをおすすめします。そして、古い機器に比べて経済的でもあります。ハイブリッド加湿器は、温風気化式運転で急速に加湿したあとは自動で気化式に切り替わります。気化式ではヒーターをオフにし、省エネで加湿機能を維持するため、電気代も抑えられるのです。
話を戻しますが、従業員ができていなかったことができるようになることも店舗にとってメリットではありますが、何より、次回の評価までに何を意識して働くのかが決まることで、日々の労働に対する意識が変わり、アルバイトが辞めにくい職場をつくることができるのです。
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度をより良くするために
評価制度の実施当初であれば、評価シートは一つでよいのですが、従業員がある程度のレベルに達すると、項目を網羅してしまう人が出てきます。
その場合はもう一つ評価シートを作成し、進めてあげるとよいでしょう。二つ目の評価シートは現場のスキルのチェックというよりも「従業員に教えることができる」など、マネジメントの項目を増やした内容にします。そうすることで新たな目標を目指し、同じ場所で働き続けることができます。これらの項目をクリアした人をバイトリーダーとするなど、新たな評価制度を策定していくのもよいでしょう。
やはり、仕事に飽きるということは辞める原因に繋がりますので、目標を持てる環境づくりをすることが大事なのです。
評価制度の実施当初であれば、評価シートは一つでよいのですが、従業員がある程度のレベルに達すると、項目を網羅してしまう人が出てきます。
その場合はもう一つ評価シートを作成し、進めてあげるとよいでしょう。二つ目の評価シートは現場のスキルのチェックというよりも「従業員に教えることができる」など、マネジメントの項目を増やした内容にします。そうすることで新たな目標を目指し、同じ場所で働き続けることができます。これらの項目をクリアした人をバイトリーダーとするなど、新たな評価制度を策定していくのもよいでしょう。
やはり、仕事に飽きるということは辞める原因に繋がりますので、目標を持てる環境づくりをすることが大事なのです。
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の他社事例
最後に他社事例をお伝えします。
アルバイトの定着率が高く、正社員化も多い店舗では、アルバイトがアルバイトの評価をしています。どういうことかというと、通常であれば飲食店店長がしている他己評価もアルバイトがしており、評価制度に必要なスケジュールの設定、項目の変更、フィードバックまでもアルバイトがしているのです。そして、その評価を実施するアルバイトは、評価項目を網羅したモデルアルバイトとなるので、評価される側としては憧れにも繋がります。
この事例からも、評価を実施するだけで終わりだけではなく、次へ、そのまた次へと、目指すべきところを常に見せてあげるようにしてください。
今回は、定着率を上げるためのアルバイト評価制度(後編)をお伝えしました。
「定着率を上げるためのアルバイト評価制度」に重要なのは、評価をすることそのものもですが、目指すべきところを見せてあげるということが何よりも重要です。
前編、後編を通して、ゆっくりでもよいので、ぜひ実行してみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。
▼関連コラム
【アルバイトの定着率に役立つ簡易評価制度の事例紹介】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_90.html
【短期アルバイトで終わらせない!離職防止の取り組み事例】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_87.html
最後に他社事例をお伝えします。
アルバイトの定着率が高く、正社員化も多い店舗では、アルバイトがアルバイトの評価をしています。どういうことかというと、通常であれば飲食店店長がしている他己評価もアルバイトがしており、評価制度に必要なスケジュールの設定、項目の変更、フィードバックまでもアルバイトがしているのです。そして、その評価を実施するアルバイトは、評価項目を網羅したモデルアルバイトとなるので、評価される側としては憧れにも繋がります。
この事例からも、評価を実施するだけで終わりだけではなく、次へ、そのまた次へと、目指すべきところを常に見せてあげるようにしてください。
今回は、定着率を上げるためのアルバイト評価制度(後編)をお伝えしました。
「定着率を上げるためのアルバイト評価制度」に重要なのは、評価をすることそのものもですが、目指すべきところを見せてあげるということが何よりも重要です。
前編、後編を通して、ゆっくりでもよいので、ぜひ実行してみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。
▼関連コラム
【アルバイトの定着率に役立つ簡易評価制度の事例紹介】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_90.html
【短期アルバイトで終わらせない!離職防止の取り組み事例】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_87.html
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/
(公開日 2024年11月18日)