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【定着率を上げるためのアルバイト評価制度(前編)】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の中山樺奈(なかやま かな)です。

今回は、定着率を上げるためのアルバイト評価制度について、前編と後編に分けてご紹介します。前編では、定着率を上げるためのアルバイト評価制度の“作り方”、後編では、定着率を上げるためのアルバイト評価制度の“運用方法”についてお伝えいたします。
【定着率を上げるためのアルバイト評価制度(前編)】
=今回のポイント=
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度がなぜ必要なのか
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の作り方
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の事例
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■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度がなぜ必要なのか
昨年度(2023年)は、10月の最低賃金の改定により、最低賃金が39円~47円アップしました。また今年度、厚生労働省は、全国の最低賃金を平均51円引き上げることを決定しました。これにより、全国の最低賃金平均は1,055円となり、過去最大の引き上げ幅となりました。
このように、パート・アルバイトの時給は高騰しており、このまま上昇が続くことは経営に深刻な影響を与えかねません。時給が上がり続ける中で、飲食店店長が業績アップを実現するためには、人材を上手に活用し、スキルのある人材が長く働き続けられる取り組みを行う必要があるのです。

“スキルのある人材が長く働き続ける取り組み”とは具体的に何なのか?それは、アルバイトの評価制度です。
アルバイトは、正社員に比べて時給に対してシビアな考えを持つ傾向があります。もちろん、職場での人間関係も働くモチベーションに大きく影響しており、店長の日頃の声かけなども、スキルのある人材が長く働き続けるための重要な要素です。

しかし、このような場合はどうでしょうか。
AさんとBさんがいます。
Aさんの方が仕事をテキパキしており、お客様からの評判が良く、店長からも毎日、褒められています。
それに比べ、Bさんはぶっきらぼうに立っていることが多く、お客様からのクレームもしばしば・・・
そんな二人の時給が、Bさんの方が高いとなると、いかがでしょうか。
Aさんの不満が募る理由になるとは思いませんか?
Aさんはお客様・店長から認められても、Bさんと時給を比較した時、評価の不公平さに不満が募るのです。
今回は極端な例をお伝えしましたが、不公平・不公正な評価は実際に多く発生しています。このようなことにならないためにも、スキルのある人材を公平かつ公正に評価をしてあげられる評価制度が、長く働いてもらうためには必要になってくるのです。
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の作り方
評価制度を作るにあたり、おさえておきたいポイントが三つあります。
まず一つ目は、先ほどもお伝えをいたしましたが、公平・公正な評価がされることです。
不公平・不公正であると、それは適切な評価制度とはいえません。逆にモチベーションが下がる要因にもなってしまいます。ですので、人によって評価が違ったり、相性によって評価が変わったりするようなことがないようにしましょう。

二つ目は、現実的に運用が可能であることです。
評価制度を導入したとしても、評価の仕方が難しく、運用ができないとなれば意味がありません。定期的に運用ができ、評価の仕方や手続きが容易にできるものにしましょう。

三つ目は、業績アップと連動していることです。
評価項目に業務内容を羅列するだけでは意味がありません。評価制度を作成する目的は、“スキルのある”人材が長く働き続けるためですので、業績アップにつながる業務内容を項目に組み込むことが重要です。

飲食店店長は毎日が多忙であることでしょう。しかし、上記の三つを念頭に、ぜひ評価制度を見直していただきたいと思います。
■ 定着率を上げるためのアルバイト評価制度の事例
最初にご紹介したいのが、「公平・公正」で「運用しやすい」という点で使用されている「ILUO評価」です。多忙な飲食店店長にも取り入れやすい評価方法です。
ILUO評価とは、それぞれのスキルに対する習得度を段階的に示す評価の方法で、代表的な評価基準は以下のとおりです。
I:指導を受けながら作業ができる
L:ひとりで作業できるが、指導を受ける場合がある
U:ひとりで作業できる
O:作業を熟知し、指導できる

例えばそれぞれの業務に必要なスキルを書き出し、それについてI・L・U・Oを書き込みできるように店舗ストックの壁に貼るなども一つの方法です。実際に書いてみるとわかるように、Iの下に横線を引けばLとなり、Lから上に線を引けばUとなります。最後に上部に線を引けば四角形にはなりますがOとなります。一本の線だったIが、最終的に正方形になればOKということです。
このように、視覚に訴えかける方法は、評価される側にとっても何ができるようになれば良いかが明確であり、モチベーションにも繋がりやすいのです。評価する側は現状の習得度を一目でチェックできます。負担が小さく運用もしやすいため、飲食店店長にはこの評価方法をおすすめしています。

次にご紹介したいのが、業績アップと連動した評価制度を作るための方法です。
それは、店舗のモデルとなるアルバイトから、業績アップに繋がる行動(業務スキル)を書き出すことで作れます。業績アップに繋がる行動とは何なのかというと、お店にとって「効率の良い行動」と「業績が上がる行動」です。

効率の良い行動とは、コストを下げることのできる行動です。例えば、お客様への商品の提供時に空いたお皿をバッシング(食器・グラス・カトラリーなどを下げること)しながら戻ったり、キッチンを整理整頓しながら使用し、素早く調理することなどです。
空いたお皿をバッシングしながらお客様のご要望をお聞きすれば、再度お客様から呼ばれることもありません。また、キッチンを整理し素早く料理を作ることで必要人員の削減も検討できます。コストを下げるということは、効率の良い行動により無駄な人件費(コスト)を削減することなのです。
業績が上がる行動とは、お客様の空いたグラスを下げる際に、お代わりを確認したり、おすすめ商品のPOPを作成し、掲示したりすることです。
このような行動は、お客様からの注文が増える傾向にあり、業績アップに繋がります。

上記のように、コスト削減&業績アップに繋がりそうなアルバイトの行動を書き出して評価項目を作成することで、業績アップと連動した評価制度を作っていきましょう。

みなさんは、ダスキンの空気清浄機をご存知でしょうか?こちらもコスト削減&業績アップに繋がるアイテムです。
通常の空気清浄機は定期的なフィルター交換などセルフメンテナンスが必要で、地味に手間がかかります。また、放っておくとホコリをさらに拡散してしまったり、においの原因にもなります。皆様も普段お店へ行った際、店内のにおいが気になった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダスキンの空気清浄機であれば、4週間ごとにフィルターをまるごと交換してくれるので高機能を保ちながら使用できます。また、機器自体の清掃もしてくれるので、キレイな状態をキープし続けることが可能です。面倒なメンテナンス要らずのレンタルプランは、トータルで考えるとコスト削減になることもあるため、定期的に見直すことをおすすめします。また、アルバイトの満足度向上に繋がった例として、更衣室や休憩室での使用があります。奥まったところにあり、空気が淀みがちな更衣室やストックルームにも、空気清浄機の設置をおすすめします。店舗を清潔に保つことで、お客様の満足度も上がり、再来店の確率も高まるのです。

以上、定着率を上げるためのアルバイト評価制度(前編)でした。次回の後編では、評価制度の“運用方法”についてお伝えいたします。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

▼関連コラム
【スタッフがドンドンやる気になる評価制度の作り方】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_55.html
【業績アップにつながるパート・アルバイト評価制度とは】
https://biz.duskin.jp/biz/b_column/index_40.html
◆執筆者プロフィール◆
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部 観光フードグループ
中山 樺奈(なかやま・かな)
大学卒業後、新卒で船井総合研究所に入社。入社後はWebシステムを活用した現場の生産性向上コンサルティングに従事。「組織の一体化」をテーマにおこなう社内育成環境の構築や店舗マネジメント研修は全国各地の飲食店で定評がある。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2024年10月16日)

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