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【2023年に向けた採用の取り組み】

いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の西尾祐哉(にしお ゆうや)です。

2022年10月11日から入国者数上限が撤廃となり外国人の個人旅行が解禁するなど、ある程度インバウンド需要が見込まれるようになってきました。また、国内では全国旅行支援が始まっており、今後、国内外の観光客を含め店舗を利用するお客様の増加が見込まれます。

こうしたなか、2022年8月の有効求人倍率(2022年9月30日 厚生労働省発表)は1.32倍となっており、2021年10月の飲食店規制緩和以降、常に上昇傾向にあります。

これから迎える繁忙期にしっかり売上を確保するためにも人材の確保は必須です。
今回は2023年に向けた採用の取り組みというテーマで、主にパート、アルバイトの採用についてお伝えいたします。
【2023年に向けた採用の取り組み】
=今回のポイント=
■ 多様な人材確保
■ 競合に見劣りしない時給設定を
■ 近年増加しているSNS採用
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■ 多様な人材確保
飲食店のアルバイト採用で肝心になるのが学生の確保です。
しかし近年、企業が開催する大学2年生や3年生向けの長期インターンシップが増加しており、学生の参加者数も増加傾向にあります。また、就活を終えた4年生であっても、入社までの期間に就職先へ職務体験に赴くなど、ひと昔前のように学生の誰しもがアルバイトをするとは言い切れません。
そしてコロナ禍以降、人との接点をなるべく減らしたいという学生も一定数存在しており、ますます学生アルバイトの確保が難しい状況となってきています。
地方では特に高齢化が進むなかで学生の確保に悩まれている店舗も多いのではないでしょうか。

そんな状況でも人材を確保する一つの施策は、シニア層や外国人の採用です。

最近ではシニア採用専門の求人情報サイトが登場したり、「60代歓迎」というワードがよく見られるなど、シニア採用に積極的な企業も増加しています。もちろん飲食店の現場においては体力面や重いものを運ぶ際のケガなどの心配もありますが、清掃や簡単な接客のみに業務を絞ることでシニア層の負担を減らす工夫ができます。

また近年、大手企業を中心に外国人の採用が増えています。
日本に滞在している外国人は日本語も堪能で、コミュニケーション能力の高い方が多くいらっしゃいます。もちろん外国人が日本で働くためにはさまざまな制限・条件があります。
たとえば、外国人が日本の飲食店で働くためには27種ある在留資格のうち「技能・人文知識・国際業務」もしくは「留学生」を保有することが必須です。また留学生の場合は原則、週28時間以内に労働時間を調整しなければならないといった規制もあります。これらをしっかりと確認して採用しましょう。外国人留学生は日本での成長意欲が高く、貢献してくれることが期待できます。
最近では外国人雇用に特化した人材サービスなどもありますので、活用することをおすすめします。
■ 競合に見劣りしない時給設定を
2022年10月より全国で最低賃金の引き上げがありました。
今回の賃金引き上げでは大阪府の最低賃金が1,000円台に突入するなど話題を呼びました。今回をきっかけに都市部では一気に時給を1,200円まで引き上げたり、地方でも1,000円を超える時給を設定する企業も目立ってきています。

アルバイトの方は仕事を探す際、さまざまなフィルターをかけて検索します。たとえば家からの距離や駅近かどうかなどの立地条件、シフトの融通性や時給などです。この傾向から考えられるように、条件で求人の絞り込みがされるなか最低限、時給での絞り込みに負けないようにする必要があります。
対策は単純で、競合店舗の時給に見劣りしない時給に設定することです。
必ずしも競合より高くする必要はありませんが、より多くの求職者から選ばれるためにも最低賃金以上の時給額を設定することを推奨します。
■ 近年増加しているSNS採用
今や飲食店のほとんどが自店舗のSNSアカウントを持っていることが多いです。
一般的にSNS活用の目的は新規客やリピーターの獲得です。しかし近年、Instagramなどを中心に求人募集の発信をしている飲食店が目立ちます。

飲食店で働く場合、どうしても時給や仕事内容が似通ったものになりがちです。そのような時、応募決定要因の一つとなりえるのが「職場の雰囲気」です。
SNSは職場の雰囲気をとても伝えやすい(伝わりやすい)ツールです。そこで自店舗のスタッフの紹介や日常の自然な姿、働いている姿をSNSにアップすることで、店舗の雰囲気を求職者に伝えることができます。

SNSの活用は炎上リスクも伴いますが、正しく使用すれば最強のツールであるといえます。今後のアルバイト採用では有効な手段の一つになることは間違いないと思います。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2022年11月28日)

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