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【afterコロナに大切にしたい顧客管理の方法】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の伊藤康貴(いとう やすたか)です。

今回は、afterコロナに大切にしたい顧客管理の方法についてお伝えします。
【afterコロナに大切にしたい顧客管理の方法】
=今回のポイント=
■ 顧客情報の管理が必要な理由
■ 顧客情報の分析方法と活用例
■ 最新のデジタルツールにも挑戦してみよう!
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■ 顧客情報の管理が必要な理由
コロナウイルスの蔓延により、外食に行く機会や人出が減っています。そのため新規顧客獲得の難易度が上がっており、今後はいかにリピート客を増やすかが重要になります。また一般的に新規客獲得コストはリピート客に比べ約5倍必要であるといわれています。これからの集客アップの近道はリピート客へのアプローチにあります。

では、どのようなアプローチ手法があるでしょうか。一度来店したお客様から連絡先を取得し、定期的にクーポンを発行するのが効果的かというと、そうではありません。当社のコンサルティング先でも過去に「20%OFF」「お肉半額」などのクーポンを定期的に配信していたそうです。この手法は最初の反響は良くても、新鮮さがなくなり、反響はどんどん落ちていってしまいます。

ただ闇雲に値引き訴求するのではなく、一度来店されたお客様を来店の回数や頻度によってグループ化し、それぞれに合った適切なアプローチをすることでより効果的に集客につなげることができます。
■ 顧客情報の分析方法と活用例
来店したお客様の中には、1回限りのお客様、週1利用で何度も来ている常連様、今まで来ていたのに急に来なくなったお客様など、いろいろな方がいらっしゃるかと思います。

そこで、顧客情報の分析手法としてRFM分析があります。
R:Recency(最終来店日)
F:Frequency(来店頻度)
M:Monetary(購入金額)

上記を得点化することで顧客情報を分類するという分析手法です。
最終来店日が最近で、来店頻度も高く、購入金額が大きいほど上位の顧客となり、アプローチをすれば反響率が高いお客様となります。

RFMのうちRの最終来店日が最も重要な指標となります。というのは、いくら過去来店頻度が高く購入金額が大きなお客様であっても1年以上来店していない場合は、何らかのアプローチをしても来店につながる可能性は低いためです。

一般的な飲食店が行う顧客情報取得データでは購入金額の取得は難しいため、R(最終来店日)、F(来店頻度)を使ったグループ分けの例を紹介いたします。

 ①新規客(最終来店日:1ヶ月以内 来店頻度:1回)
 ②常連客候補群(最終来店日:1ヶ月以内 来店頻度:2回)
 ③常連客(最終来店日:1ヶ月以内 来店頻度:3~9回)
 ④信者客(最終来店日:1ヶ月以内 来店頻度:10回)

 ⑤新規客離脱候補(最終来店日:1ヶ月以上~3ヶ月以内 来店頻度:1回)
 ⑥既存客離脱候補(最終来店日:1ヶ月以上~3ヶ月以内 来店頻度:2~9回)
 ⑦信者客離脱候補(最終来店日:1ヶ月以上~3ヶ月以内 来店頻度:10回)

 ⑧新規客完全離脱(最終来店日:3ヶ月以上~6ヶ月以内 来店頻度:1回)
 ⑨既存客完全離脱(最終来店日:3ヶ月以上~6ヶ月以内 来店頻度:2~9回)
 ⑩信者客完全離脱(最終来店日:3ヶ月以上~6ヶ月以内 来店頻度:10回)

上記を踏まえた上でのアプローチ方法は、

①~③は最終来店日が1ヶ月以内で複数回来店しており、次にもつながりやすい層のため毎月通常クーポンの定期配信を行い、②常連客候補群⇨③常連客、③常連客⇨④信者客へと誘導を試みます。
 例)お会計10%OFF

④の信者客はお店のファンとなっているお客様で売上貢献度も高いと想定されるため、特別扱いで手厚いサービスを提供して離脱を防ぎます。
 例)新商品試食会への招待、グループで使える特別優待券

⑤は一度来店したのち3ヶ月以上来店がないけれど、ただ忘れているという可能性もあるため、離脱を防ぎ、来店のきっかけを作るために強めのクーポンを送付します。
 例)特別クーポン20%OFF、お食事券1,000円分プレゼント!

⑥⑦は元常連客もしくは信者客で3ヶ月以上来店がないお客様です。完全離脱をする前にアプローチをかける必要があります。お店への不満等をヒアリングするアンケートや、強めのクーポンを送付します。
 例)お食事半額券、30%OFF!

⑧~⑨は6ヶ月以内に1回も来店がないため、恐らく競合の店にとられたか、引っ越し等でお店に来られなくなった可能性が高いです。この層はアプローチをしても難しいため、特にアプローチはしません。

⑩は⑧~⑨同様アプローチをしても難しいと考えます。しかし、元信者客で売上貢献度も高いと想定されるため、最後の望みをかけて個別にメッセージやお電話で状況を確認し、信者客に復帰できないかアプローチを実施します。

上記のようにグループごとのアプローチを行うことで、無駄な販促費を削減しながら既存客の離脱を減らし、信者客を増やしていくことができます。
■ 最新のデジタルツールにも挑戦してみよう!
ここまで細かい分析手法やアプローチ事例をお伝えしましたが、いかがでしょうか。
上記のような分析を実際に行うのは難しいと感じられた方もいらっしゃるかもしれません。最近ではシステムを導入することで簡単に顧客情報を分析して活用する方法もあります。

 例)
・モバイルオーダーが自動でLINEに紐づき、最終来店日、来店頻度によってクーポンにメッセージを送ることができるシステム
・店舗アプリ上のクーポンをレジで読み取ることでLINEに紐づき、最終来店日、来店頻度によってクーポンにメッセージを送ることができるシステム

これらの導入も検討の価値があるかと思います。

ぜひ、皆様のお店の売上アップにご活用いただけますと幸いです。
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2022年10月25日)

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