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中小企業の経営戦略を担う「船井総研」のコンサルタントが、さまざまな業種・業態の方向けに書き下ろしたコラムを掲載!

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【コロナ禍で伸びた】デジタルマーケティングの成功事例

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 フード支援部の西尾祐哉(にしお・ゆうや)です。
企業の業績アップを実現するには、「売上アップ」と「コスト削減」の2点に着目する必要があります。

今回のコラムでは、集客を最大化(=売上アップ)しながら販促コストを削減できる、店舗HPを中心としたデジタルマーケティングについて解説いたします。
【コロナ禍で伸びた】デジタルマーケティングの成功事例
=今回のポイント=
■ 多媒体を活用した認知の最大化
■ 店舗HP立ち上げによる集客の最大化とコスト削減
■ お客様の囲い込みによる来店頻度の向上
=========
■ 多媒体を活用した認知の最大化

飲食店を例にお伝えいたします。

2020年初頭から新型コロナウイルスが流行し、緊急事態宣言等が発令されてから、お客様の飲食店来店までの行動フローに変化が見られました。

コロナ前までは、飲食店はグルメサイトへ課金をし、掲載順位を上昇させたうえで写真や文言を作り込み、クーポンを配布することで多くのお客様を獲得することができました。

しかしコロナ禍に突入し、お客様の外食機会は激減しました。「店選びに失敗したくない」という心理が強くなり、来店前にWeb上で店舗情報をしっかり調べてから予約し来店する傾向が強くなりました。また、GoogleマイビジネスやInstagramを活用する店舗が増加したことにより、予約経路も多角化しています。

よって、Web上のさまざまな媒体において、自店舗の情報を正確・最新にしておく必要性が高まりました。

では実際にWeb上でお客様に情報を届けるためのツールは何があるのか。下記がこれからの飲食店で取り組んでいくべき媒体一覧です。

・店舗HPを活用したリスティング広告
・SNS / SNS広告
・Googleマイビジネス
・プレスリリース
・インフルエンサーマーケティング
・グルメサイト

さまざまな認知獲得媒体がありますが、どれか一つしか利用しないというお客様も一定数いらっしゃいます。そのお客様の来店機会を取りこぼさないためにも全媒体を徹底的に活用する必要があります。

上記で示した媒体を活用してお客様の認知を広げた後は、来店を促すためのツールが必要になります。それが自店舗のHPです。
■ 店舗HP立ち上げによる集客の最大化とコスト削減

さまざまな媒体を活用して自店舗の認知を最大化したあとは、店舗HPに誘導して来店率の向上を図ります。

HPに誘導したのち閲覧してくれたお客様でも、サイトが使いづらかったり、写真が不鮮明だったり、業態や予算感が分かりにくかったりするなど、“求めているものとは違う”“使いにくい”と感じればサイトを離脱されてしまいます。これでは来店の機会損失です。

店舗HPを見ていただいたお客様の来店率を向上させるために、下記の点に注意してHP制作をしていく必要があります。

①自店舗の魅力が伝わる表現になっているか?
 →ファーストビュー・写真・掲載文言を業態コンセプトに合わせる

②お客様視点のサイト構成になっているか?
 →お客様の求めている情報が掲載されているか、アクセスしやすい作りになっているか?

③流入経路を最大化できているか?
 →Googleマイビジネス、各種ポータルサイト、SNSからの流入先に設定できているか?

店舗HPは、ただ立ち上げれば良いということではなく、HPを見ていただいたお客様に対して、いかに予約をしていただくか(=来店していただけるか)が大切であるため、構想段階からサイトの写真や文言、構成を練る必要があります。

また、HPを立ち上げたら終わりではありません。Googleアナリティクスという無料のサイト分析ツールを活用して、どこからお客様が流入しているのか、どこでページ離脱しているのか等を分析し、改善していく必要があります。

このように、多媒体の活用による認知の最大化と店舗HPを日々ブラッシュアップしていくことで集客を最大化できます。

そして、店舗HP経由やGoogleマイビジネス、SNS経由の予約数が増加することにより、グルメサイトの予約送客手数料が削減できます。さらに無料版への掲載に変更することで掲載料金のコストカットも実現可能です。

実際に船井総研のクライアント企業様でも、これらに取り組んで業績を伸ばされた事例が多くございます。ある郊外焼肉店では、自店舗のHPを立ち上げてGoogleマイビジネスやSNSを徹底的に活用した結果、2019年と2020年の売上昨対比が120%を達成し、販促コストを数十万円も削減されました。
■ お客様の囲い込みによる来店頻度の向上

飲食店の売上公式として、「売上=客数(新規顧客+再来店顧客)×客単価」で表す考え方があります。前章までにご紹介してきたのは「新規客の最大化」の部分にあたります。

新規客の獲得も大切ですが、一度ご来店いただいたお客様に再度ご来店いただくことも重要です。ここからは「来店頻度の向上」についてです。

お客様に再来店いただくためには、QSCA(※)を高め、お客様に満足していただくことが大前提です。しかし、サービス等に十分に満足したお客様であっても、時間がたつと店舗の存在を忘れてしまったり、何かしらの理由がなければ再来店につながらなかったりするケースが多くあります。

そこで飲食店が取り組んでいるのが、LINE公式アカウントや自社アプリの活用です。

特にLINE公式アカウントは、日常的に使用するアプリであり、QRコードをかざすだけで友だち登録ができるため、会員化のハードルがとても低いです。さらに無料でアカウントを作成できるため多くの飲食店が活用しています。

LINE公式アカウントでは、友だち登録をしたお客様に対して文章だけでなくイラストや写真などを交えてメッセージを送信することも可能です。文章だけのメッセージからクリエイティブな発信に変更しただけでも、予約率に大きく変化が見られた事例もあります。

このように、LINE公式アカウントや自社アプリでお客様に直接メッセージを送ることで、自店舗を忘れられないようにします。さらにクーポンやキャンペーン情報を提供することで来店動機を作り、売上の最大化につなげることができます。

以上のように、認知の最大化→店舗HPの予約率上昇→お客様の囲い込みを徹底して行うことにより、飲食店の売上最大化とコスト削減の両方を実現することができます。

コロナ禍でも集客に成功した企業のデジタルマーケティング事例をご紹介しました。ぜひ皆様も参考にして取り組んでみてください。

※QSCA
・Quality(クオリティー)=品質:常に品質の高い料理を提供する
・Service/Speed(サービス/スピード)=提供速度やお客様への気配りなど、常に気持ちのよいサービスを行う
・Cleanliness(クレンリネス)=衛生:店舗・スタッフが清潔で衛生的である
・Atmosphere(アトモスフィア)=雰囲気:コンセプトにあった空間・スタッフである
【株式会社船井総合研究所】
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2021年12月24日)

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