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アルバイトの正社員化

全国の飲食店店長の皆様、こんにちは。
そろそろ年度の変わり目が近づき、人材の動きやすい時期を迎えます。飲食店にとっては今のうちに採用活動の準備をしたいところですが、時給を上げても応募がなかなか来ず、採用に苦労しているという声をよく耳にします。
そんな中、ある飲食店では、7年以上も求人媒体を使うことなく、正社員を確保できているという事例を生み出しています。これは「社員は、ほぼすべてアルバイト出身」でまかなえているからだそうです。
求人媒体に頼らず優秀な社員を確保できる!
このように、正社員をアルバイトから登用するケースが、最近増えてきています。これが組織的にうまく実践できている企業に共通しているのは、
1.アルバイトへの権限移譲
2.アルバイト同士の「ヨコ」のつながり強化
3.アルバイトと、会社との「タテ」のつながり強化
の3つです。これらを詳しくみていきましょう。
1.アルバイトへの権限移譲
正社員登用がさかんな飲食店では、数名のバイトリーダーを中心に、アルバイトだけのチームによる体制が組まれています。例えば「衛生管理チーム」「覆面調査によるQSC向上チーム」「集客・販促チーム」など、それぞれのミッションにわかれていくつかのチームがあります。
バイトリーダーは、チームをまとめることはもちろん、勤怠シフト作成、原価や人件費の管理、食材発注、新人教育、販促の企画立案、アルバイトミーティングの運営など、正社員なみの業務を任されています。アルバイトだからと言って作業だけをやらせるのではなく、重要な仕事を任せてやりがいを見出してもらうのです。このバイトリーダーが正社員の有力候補となることは言うまでもありません。
2.アルバイト同士の「ヨコ」のつながり強化
どれだけ仕事にやりがいがあっても、人間関係の悪い職場では長く働きたいとは思わないものです。そこで、職場の人間関係を円滑にするために、多くの取り組みを実施しています。以下、コミュニケーションを活性化する取り組みの一例を挙げます。
 ① 表彰・コンテスト系・・・「お客様アンケートによる表彰会」「オススメによる販売数実績ランキング」「創作メニューコンテスト」「PA総選挙」
 ② イベント系・・・「スポーツイベント」「アルバイト合宿」
 ③ 調査系・・・「他店モニタリング」「アルバイト満足度アンケート」
これらの取り組みの多くを、アルバイトが主体となって行うことで、コミュニケーションが活性化されます。また、努力を認められる機会を数多く用意し、ここでもやりがいを実感してもらいます。
3.アルバイトと、会社との「タテ」のつながり強化
上記で述べた取り組みの中でもっとも重要なのが、会社からアルバイトへの感謝を伝えるイベント、「感謝祭」です。全社員、全アルバイトが参加する一大イベントです。アルバイトが卒業する3月ごろに開催しているケースが多く、長年頑張ってくれたアルバイトへの感謝状の授与や、優秀店舗の取り組みをバイトリーダーがプレゼンするなど、アルバイトにとっては晴れの舞台となるイベントです。
このイベントには、アルバイトの親御さんを招待しています。子供たちが楽しそうに働く姿をみて、会社の取り組みに対して共感していただくことが目的です。
大切なことは、好きな仲間と、やりがいのある仕事を行い、周囲から感謝され認められること。これらが満たされれば、組織に対するロイヤリティは高まり、正社員として働くことへのモチベーションへつながります。ぜひ、今後のアルバイト活用の参考にしてみてください。
株式会社 船井総合研究所
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://funai-food-business.com/

(公開日 2019年2月25日)

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