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明日からできる!原価コントロール

全国の飲食店店長の皆様、こんにちは。船井総合研究所の原です。
これからの時期、春の季節メニューを考えているお店も多いことでしょう。しかし最近では、食材の価格がどんどん高騰しており、多くの飲食店が、以前のような利益率を確保しにくくなっています。そこで今回は、収益性を強化するための原価率管理についてお伝えしたいと思います。
3つの方法で原価率を下げる!! 高粗利商品の拡販 ロス対策 メニューの価格改定 ふくらむ原価率を下げる
皆さんは原価率を下げようとした場合、どんな対策を考えますか?「もっと安い食材の仕入れ先を探す」「業者と交渉する」「調理方法を見直してロスを削減する」など、さまざまな方法が考えられると思います。しかし、これらの方法は、いずれも店長や料理長の「顔」や「技術」に依存したやり方であり、限界があります。
このようなマンパワーに頼らずに原価率を下げるには、3つの方法が考えられます。①高粗利商品の拡販、②ロス対策、③メニュー価格改定です。
①高粗利商品の拡販
まずは、「自店で利益率の高い商品が何か」を把握し、その商品を重点的に売ることです。そのための準備として、商品ごとの原価を、レシピに基づき「使用される分量×食材単価」で算出します。それができたら、次に、商品別の「原価率×売上構成比」を算出します。この数字の高い順に商品を並べてみましょう。ここで上位の商品ほど、今後、戦略的に強化したい商品になります。例えば、以下のような策を計画的に行うと効果的です。
・上位の商品で季節メニューをつくる(例:高粗利商品の春メニュー化)
・上位の商品の味のバリエーションを増やす(例:レモン増しのレモンサワーなど、トッピング強化)
・WEB、店頭看板、差し込みメニュー表、着席後の「今日のお勧め」などのアピール強化
②ロス対策
さて、上記の「原価率×売上構成比」をすべて算出し、合計したものが「理論原価率」です。これは机上の計算から導き出された原価率ですが、実際の原価率とは一致することはありません。実際の原価率は、前月および当月の棚卸金額と、食材の請求書の金額から導き出されます。つまり、「実際原価率-理論原価率=ロス率」です。この数字を把握した上で、改善策を考えます。例えば、以下のような対策が考えられます。
・廃棄ロス(食材の加工や消費期限切れによる廃棄のロス)を減らす
→加工済食材の仕入、冷蔵庫内の定物定位置化、消費期限シールによる管理、先入れ・先出しの徹底など。
・ポーションロス(食材の盛付けすぎによるロス)を減らす
→レシピの見直し、計量の徹底、平日と週末の「仕込み基準表」の作成による、仕込み指示の明確化など。
・商品ロス(オーダーミスや調理ミス)を減らす
→オーダー時の復唱の徹底、ホールとキッチンの連携、声かけ強化
③メニュー価格改定
メニューの価格改定とは、つまり「値上げ」のことです。もちろん、単なる値上げでは、それまでご来店いただいているお客様が離れてしまうかもしれません。お客様に理解していただくために、単純に値上げするのではなく、値上げした以上の付加価値を、メニューブックやPOPで伝える必要があります。例えば、使用している食材に対するこだわり、店内での仕込みや調理技術のこだわり、安心・安全な食材選定と管理などをアピールすることで、付加価値をお客様に感じていただくようにします。
いかがでしょうか。原価率をコントロールするには、さまざまな方法があります。ぜひ、皆さんの店舗でもこれらをヒントに実践してみてください。
株式会社 船井総合研究所
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
https://food-business.funaisoken.co.jp/

(公開日 2019年1月28日)

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