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人が辞めないマネジメント術

全国の飲食店店長の皆様。こんにちは船井総合研究所の原です。
年末の繁忙期を迎え、慌ただしい毎日を過ごされている方も多いことでしょう。
12月は、飲食店にとって勝負の月です。しかし、繁忙期を過ぎた落ち着いた頃に「店長、ちょっとお話が」と、スタッフから神妙な表情で相談を持ちかけられたご経験がある方も多いのではないでしょうか。つまり、退職の申し出です。
年末のあまりの忙しさに、仕事を続けていく気力がなくなってしまうケースは、飲食店ではよく見られます。
今回は、飲食店のスタッフが辞めないための予防策を、いくつかご紹介します。
人が辞めない組織2つの条件
■「非金銭的報酬」による「報われる組織」づくり
人材が定着する組織には、2つの条件があります。
1つは、「報われる組織」であること。もう1つは「働きやすい組織」であることです。
まず、「報われる組織」とは、スタッフの働きに対して、時給UPやボーナスなどの「金銭的報酬」が挙げられます。しかし、その一方で「非金銭的報酬」により、スタッフのモチベーションを高めることも効果的です。
一例を挙げると、
・頑張ってくれているスタッフに、店長自ら「いつもホント助かってるよ!ありがとう」という直接の声かけや、LINEでのメッセージなどのコミュニケーション
・自動車教習所のように、新人が習得したスキルにハンコがもらえる「スキルチェックリスト」により、自身の成長を実感させる
・ドリンクのおかわりをお勧めして追加注文をとった数など、重点行動をポイント化する「店内ポイント制度」により、やりがいを向上させる
・年末の店舗の業績が好調だったときに、スタッフ全員で仕事の成果をお祝いする「打ち上げ」を実施し、来年に向けて気持ちを1つにする
…等々、人材が定着するためには、さまざまな「非金銭的報酬」が有効です。
■スタッフ同士が触れ合う機会を創る
次に「働きやすい組織」です。職場の働きやすさを左右するのは、労働時間や休日などの「労務環境」が充実しているか、また「人間関係」が良好であるか、等が重要な要素となります。具体的な取り組みをご紹介しましょう。
ある店舗では、「新しく入社したアルバイトに対し、全スタッフがLINEで自己紹介をする」「入社初日の朝礼で、教育担当者が自己紹介し、新人と握手を交わす」「卒業をきっかけに退職する学生アルバイトに対し、店内で卒業式を行う」など、さまざまな取り組みを実施しています。職場の人間関係を円滑にするために、誕生会などの店内イベントも頻繁に行い、スタッフ同士が触れ合う機会を意図的に作り出しているのです。また、新人が抱えがちな仕事の悩みの聞き役として、年齢の近い先輩社員が「メンター1」となり、毎日5分間の面談の時間をとっています。新人が入社して1ヶ月間、メンター役の先輩社員は、その日の新人の仕事ぶりがどうだったかを伝え、新人からその日の疑問点や悩みを聞き出します。これにより、上司や先輩社員に相談しやすい雰囲気が生まれ、「働きやすい組織」づくりが実現できています。
今回ご紹介した「報われる組織」「働きやすい組織」の2つが、人が辞めない組織の条件です。注意していただきたいのが、これらの仕組みを、形だけ取り入れても効果は期待できません。店長としての想い、感情、スタッフと本気で向き合う気持ちが必要条件となります。
ぜひ、皆さんの店舗でも、「人が辞めない組織」のために具体的な取り組みを考えてみてください。
株式会社 船井総合研究所
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
http://funai-food-business.com/

(公開日 2018年12月3日)


1広義では仕事や人生における「指導者」「助言者」「教育者」「理解者」「支援者」のことを指します。メンターには実務経験や人柄、優れたコミュニケーション能力が求められるため、メンターに最も適しているのは、成功、失敗を含めた、豊富な人生経験を積んでいる人です。また、メンターになると、リーダーとしての指導力や、物事を俯瞰的、客観的に観察する能力が身に着き、キャリアアップにつながります。
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