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QSC向上に向けた3つのポイント

2018年を迎え新たな取り組みを始められている企業様も多い中、本日は飲食店、外食企業の永遠のテーマであるQSCについてお話しをさせて頂きたいと思います。
忙しくて現場が荒れているのを見て、従業員の方に、なぜ基準が守れないのか?とご質問をされたことはございますか?その際「やる人がいない」「やる時間がない」「やる知識がない」など言われたことはございませんでしょうか?
本日お話するのは最下限品質を守るという点でのQSC向上に向けた3つのポイントについてです。ピークタイムでも乱れることのない標準作りの参考になれば幸いです。
飲食店の Q(クオリティ) S(サービス) C(クリンネス)向上!
① 真因の発見
評価制度とマニュアルの連動や、動画マニュアルの作成など会社としての仕組、ツール作りももちろん重要なのですが、それ以前にまずは基準/標準達成の障害となっている真因の発見が重要になります。
真因は問題ではなく、問題を形成している原因です。真因の改善なくして、問題の改善はないため、真因の発見がQSC向上におけるファーストステップとなります。
改善活動が続かない典型的な例として、結局なにが真因なのか把握できず、闇雲に新しい取り組みをはじめ、ことごとく失敗する事が挙げられます。真因を把握し、従業員に正しい手法で問題を最短距離で改善させ、成功体験を積ませてあげることがモチベーションアップにも繋がり、以後の改善活動の落とし込みもスムーズになります。問題に対して何故?を4回繰り返し問題の問題を探すなどして真因発見に注力して下さい。
② 真因の改善(不足部を補填/補充する)
真因を発見したあとは正しい改善手法をとることが求められます。皆さまが置かれている状況は様々かと思いますが、QSC、今回では最下限品質が達成できないことに対しては、以下の7つの不足があるケースがほとんどです。
1.知識の不足
2.技術の不足
3.時間の不足
4.人手の不足
5.認識の不足
6.体系の不足
7.資金の不足
真因となるこれら7つの不足を一つの目線として、知識が足りなければ研修、勉強会を行う、技術が足りなければ技術習得の場を設けるなどして真因の改善に取り組んでいただければと思います。
③ 標準、基準の見直し(単純化)
QSCを守る上で私が最も重要であると感じているのが、標準、基準の見直し(単純化)です。上記、①、②のステップを終えるだけで、QSCレベルが向上する、標準、基準を守れるようになるということは残念ながらございません。これは、会社が求めているQSCレベル、標準、基準がピークタイムオペレーションを加味していない可能性があるためです。そのため、最後にご説明させていただくステップは標準、基準の見直し(単純化)となります。
調理工程を例に説明致します。複雑な調理工程が生み出す価値の高い商品作りは業態によっては重要ですが、一方でそもそも作業基準における工程が多い、標準自体が複雑な場合、忙しければ守る余裕がなくなります。単純であればあるほど工程負荷が軽くなり、忙しくても基準達成、標準順守が可能となります。
作業工程の単純化において重要なのは、表現の単純化です。これは10cc、20ccという表現をレードル1杯という表現に変える。100g、200gという表現を1カップという表現に変える。というように表現を簡単にすることです。また、棚割りなどにおいても置くべき物の名前を棚に貼り出すこともよいですが、例えば写真を付ける、最大で幾つ、最小で幾つなど基準を作り、同様に貼り出すことで保管量をコントロールする、使用頻度の高い商品(原材料)は取りやすい場所(位置)に置くなどです。
作業工程の単純化には専用器具が必要な場合もありますが、進めば進むほど忙しくても標準、基準を守れるオペレーションが完成します。
以上、QSC向上のための3つのステップを紹介させて頂きました。ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです。
株式会社 船井総合研究所
国内最大級の経営コンサルティング会社の「フードビジネス専門サイト」
http://funai-food-business.com/

(公開日 2018年5月21日)

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