ビジネスコラム今すぐ役立つ! 目からウロコの情報を掲載!

中小企業の経営戦略を担う「船井総研」のコンサルタントが、さまざまな業種・業態の方向けに書き下ろしたコラムを掲載!

2121

生産性を向上させる、飲食店店長が知るべき働き方改革

船井総合研究所、飲食店コンサルタントの石橋恒夫です。

ここ最近、国をあげて声高に叫ばれている「働き方改革」。
労働人口の減少や、女性・シニアの積極的な社会進出に伴う多様な働き方が求められる中、業務の効率化を図り、生産性を向上させていこうというものです。
飲食店の生産性を高める働き方改革
店舗を任され、従業員の採用や教育、定着に携わっている店長の皆様は、「生産性」という言葉になじみがないかもしれませんが、「働きやすい環境を作っていく」ということには重要性を感じ、日々取り組まれているかと思います。
では、最近よく耳にする「生産性向上」って、どういうことでしょうか?
「生産性」とは、「どれだけの労働力(人数、時間)で、どれだけの付加価値(粗利)を生み出しているか」、という労働効率を表したものです。
数式で表すと
【労働生産性=粗利÷人数】
【人時生産性=粗利÷時間】となります。
時間給のパートアルバイトさんが多い飲食店の場合は、人時生産性のほうがしっくりくると思います。では、自身のお店で人時生産性を向上させていくには、どのようにすればよいのでしょうか。
それはズバリ
① 同じ時間で、今まで以上に粗利を上げる
② 同じ粗利を、少ない時間で上げる
まさにこの2点です。
具体的に、飲食店の業務に置き換えてみます。
同じ時間で、今まで以上に粗利を上げる方法は
・グラスが空いたお客様へのドリンクのお勧めを徹底する。
・ファーストオーダー時に、粗利の高い商品をお勧めする。
・商品提供スピードを上げて、ピークタイムの席回転率を上げる。
・調理ミスやオーダーミスをなくして、ロスを減らす。
同じ粗利を、少ない時間で生み出す方法は、
・無駄な作業をなくす。
・技術を高めて、生産能力を上げる。
・現状の仕込み作業において、順番や動線、設備を変更することで、時間の短縮を図る。
…ということが挙げられます。
これらの取り組みを行っていく上で重要な考え方は、「お客様の満足度を下げる結果にならないこと」を前提に、「粗利に直結しない作業を極力減らしていく」ということが挙げられます。
そのために、まずは、現在お店で行われているすべての作業を棚卸ししてみましょう。出勤してから、お店の掃除をして、ご飯を炊いて、銀行に入金にいって、予約を確認して…などなど。それらの作業がひとつずつ粗利に直結する作業かどうかを確認していきます。
さらに、それぞれの作業に標準時間を設けていきます。伝票処理に30分、パントリーの立上げ準備20分、キャベツの千切りは3玉5分かかる…、など。当然、時間が多くかかっている作業のほうが、効率化を図りやすいです。
それに対して優先順位を設定し、従業員全員が、まずは標準時間内にできることを目指します、そしてその次に、標準時間を短くすることに、ひとつずつ取り組んでいきます。例えば、皆で包丁の練習をして、キャベツの千切りが全員3玉4分でできるようになった!といった具合です。
ひとつひとつ、細かい作業の積み重ねですが、こういった取り組みが生産性向上に繋がる第一歩につながります。ぜひ、「自店舗でできる働き方改革」に取り組んでいただければと思います。
株式会社 船井総合研究所
フードビジネス支援部 人材コンサルタント
石橋恒夫

(公開日 2017年5月22日)

前のコラムへ前のコラムへ
バックナンバーはこちらバックナンバーはこちら

ページのトップへ

ページTOPへ

WEBでのお問い合わせ
  • 商品・サービスその他のお問い合わせ
WEBでのお問い合わせ 商品・サービスその他のお問い合わせ