中小企業の経営戦略を担う「船井総研」のコンサルタントが、さまざまな業種・業態の方向けに書き下ろしたコラムを掲載!
スタッフ主導で業績アップする方法
近年、全国的に人口減少・業界の成熟化が進む中、2014年に有効求人倍率は1倍を超え、直近では、全国平均1.41倍まで上昇しています。飲食業界でも苦戦している企業は多く見られ、パート・アルバイトを含めた人材採用は難しくなってくると考えられます。
こうした人材不足の中で力を入れたいのは、「既存スタッフの定着と戦力化」です。今回は「スタッフの活躍を促して、業績が上がった店舗の実例」をご紹介します。
元気のない店舗を見ていると、スタッフの声として多いのが、「店長が何を目指しているか分からない」「立ち話以外で話す機会がない」「先輩も必死に作業していて話しかけづらい」…といった、コミュニケーションに関することです。スタッフに主体的に戦力なってもらう第一歩は、「コミュニケーションの機会を作ること」なのです。
あるお店では、会議や面談、座談会などを、「店長やスタッフ同士が接する機会」として、年間スケジュールに組み込んでいます。これらの取り組みについて、ポイントをお伝えしていきましょう。
まず、「月次会議」について。このお店では、月次会議の場で、全員で日々の改善点・クレーム内容などを挙げ、優先度・重要度を勘案しながら、「いつまでに、誰が、何を、どのように解決するのか」を決めています。ここで重要なのは、「パート・アルバイトにも思い切ってなんらかの課題を任せること」。小さな課題でも、他のスタッフとともに解決するという「成功体験」を積ませることで、1年も経つとスタッフが主体的に動くようになっていきます。
まず、「月次会議」について。このお店では、月次会議の場で、全員で日々の改善点・クレーム内容などを挙げ、優先度・重要度を勘案しながら、「いつまでに、誰が、何を、どのように解決するのか」を決めています。ここで重要なのは、「パート・アルバイトにも思い切ってなんらかの課題を任せること」。小さな課題でも、他のスタッフとともに解決するという「成功体験」を積ませることで、1年も経つとスタッフが主体的に動くようになっていきます。
次に、「面談」におけるポイントです。私のお付き合い先で、個人店ながら、パート・アルバイト専用の評価制度を作っているところがあります。どのような行動をすれば評価し、役職・時給が上がるのか…を、明確にしているのです。この、「評価制度」作成の手順と、活用についてご紹介しましょう。
- ① まず行動評価項目を30項目程度から作ってみましょう(難しければ、パート・アルバイトのリーダーを巻き込んでもよいでしょう)。
- ② 次に、この行動評価項目を連動させた時給テーブルを作ります。
- ③ テーブルが完成したらスタッフ全員に説明します。スタッフから疑問点は、この時点で解消しておきましょう。
- ④ これを利用して、年に4回程度、個別面談を行います。そこで、「評価する点」や「改善すべき点」をフィードバックするのです。
このように、単に「仕組み」として会議や面談に取り組むのではなく、日頃の雑談も含めた「コミュニケーションの一環」と捉えることで、自責型人材が育ち、店舗運営がスムーズになるのです。
そうすると、「一歩進んだお勧めトーク」など、重点的に取り組むべき事柄の徹底もスムーズになり、業績は自然に向上していきます。
ぜひ、「スタッフが活躍するお店」を目指していただけますと幸いです。
そうすると、「一歩進んだお勧めトーク」など、重点的に取り組むべき事柄の徹底もスムーズになり、業績は自然に向上していきます。
ぜひ、「スタッフが活躍するお店」を目指していただけますと幸いです。
株式会社 船井総合研究所
フードビジネス支援部
田井 哲弥
フードビジネス支援部
田井 哲弥
(公開日 2017年3月27日)