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お店が変わる5Sは『7つのムダ』から取り組もう

この冬の繁忙期は、万全の体制で臨むことができましたか?最近では働き手が足りずに店が回らないという現場をよく聞きます。人不足で業績が思うように上がらないことは、店長の皆さんにとって深刻な悩みでしょう。そんな中、少人数でも仕事の時間短縮を図り、効率化を実現するうえで5Sの考え方が役に立つのです!
人不足でも仕事を時短&効率化するためにやっつけたい!7つのムダ
5Sとは、ご存知の通り、整理・整頓・清掃・清潔・しつけのことです。この5Sという考え方は、業務改善を行う上で重要な考え方なのです。中でもポイントとなるのは、最初に取り組むべき「整理」です。
整理とは、必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てることです。
これを飲食店の現場で考えると「不要(ムダ)な作業を徹底的になくしていく」ことになります。下記の分類の仕方は、トヨタの生産方式で有名なムダの見つけ方を飲食店に置き換えたものです。日常の業務を分類してみましょう。
飲食店の7つのムダ
【作りすぎのムダ】
・売上予測の精度が低いために起こる、仕込みのしすぎ
・売上に対する適正仕込量が決まっていないため、感覚で仕込みをしている
(例  必要以上にサラダや逸品などの食材を仕込んでいる時間やポーション分けしている時間)
【不良品を作るムダ】
・教育不足による調理ミス、オーダーミス
・標準化ができていないことによる、手直し作業
(例  スタッフによって盛り付けの認識があいまいなために、チェック・手直しが必要になる)
【手待ちのムダ】
・事前の情報共有ができていないために起こる、指示待ち、質問待ち
・段取りが悪く、前工程のできあがり待ち
(例  お湯が沸くまで手が空いてしまう)
【動作のムダ】
・機械や調理器具で代用可能な作業に時間をかけている
・物を探す時間。分からないために店長や社員を探す時間
(例  必要な食材や食器を、冷蔵庫や収納棚から探し出す時間)
【運搬のムダ】
・頻繁に使う食材が遠くの冷蔵庫に入っていて、往復を繰り返している
・作業動線が長い、もしくは交差していることによる余計な歩行
(例  注文が入るたびに、遠くの冷蔵庫から食材を持ってきている)
【加工そのもののムダ】
・厨房機器や調理器具のメンテナンス不足により発生する余計な作業
・食材の取扱い方法が悪いために起こる、追加の仕込み作業
(例  スライサーなど、刃の手入れができていないために、しっかり野菜が切れていない)
【在庫のムダ】
・過剰在庫によって、管理や棚卸しに時間がかかる
・在庫の定量化と見える化ができていないために、発注に余計に時間がかかる
(例  発注量がどれだけ必要なのか計算する時間)
いかがでしょうか。これらは粗利や顧客満足度に直接影響しないムダな作業です。ムダが充満すると、いつも忙しく働いているのに利益が出ない…人が足りない…という事態が発生します。店舗内のムダな作業に気づき、減らしたあと、5Sの残り4項目に取り組みましょう。
整頓…必要なものを必要な時に取り出せる状態にしておくこと。これは作業を標準化することです。社員や熟練職人など、一定のメンバーにだけ業務の負担が高くなると、生産効率は低下します。レシピや作業マニュアル、業務習得表などで標準化し、日によって作業効率が大幅に変わるといったことがないように取り組みましょう。
清掃…掃除をして、キレイな状態にし、細部まで点検すること。これはチェックを行い、異常が出れば警告が出るなど、すぐに分かる状態にすることです。
これらの整理・整頓・清掃の3Sができている「状態」のことを清潔といいます。
しつけ…決められたことを決められたとおり実行でき、習慣化していること。パートアルバイトに至るまで当たり前に動く状態を継続すると、業績だけでなく、お店の雰囲気、文化が変わってきますよ。
是非、5Sの視点を取り入れてみてください。
株式会社 船井総合研究所
フードビジネス支援部
  経営コンサルタント
石橋恒夫

(公開日 2017年1月30日)

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