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アルバイトの定着率アップ策

採用難の現在、人材の確保はどのお店にとっても重要なテーマですよね。採用するのでさえ大変なのに、もうひとつお店にとって大きな課題が、定着率です。やっとの思いで採用したアルバイトが短期間で辞めてしまうと、採用にかかった費用はもちろん、教育にかかった手間や費用もまるまるムダになってしまいます。では、定着率を高めるにはどうしたらよいでしょう?
アルバイトの定着率アップ6つの要素と離職率を劇的に低下させる方法は…
アルバイトにとって働く動機づけとなるのは、以下の6つの要素です。
  • 1.お金、時給
  • 2.労働時間、休日・・・自分の時間、家族との時間がとれること
  • 3.人間関係・・・店長や社員の人の雰囲気、人間関係が良好なこと
  • 4.仕事のやりがい・・・仕事を通じて成長できる、という実感が持てること
  • 5.会社への共感・・・会社や店長の考えに共感できること
  • 6.キャリアプラン・・・評価制度や正社員登用などの仕組みが用意されていること
の6つの要素です。
例え高い時給をもらっていたとしても、家族との時間が持てなかったり、職場のムードが険悪だったり、成長している実感が持てなかったりすると、職場を離れてしまうのです。
特に、「3.人間関係」は、アルバイトが職場を辞める理由の中でもトップランクです。
ある企業様では、職場の雰囲気を改善するために、アルバイト参加型のイベントを定期的に実施し、アルバイトの離職率を劇的に低下させています。中でも代表的なイベントが「アルバイト卒業式」。これは、毎年3月に、社員・アルバイト全員で、アルバイトを卒業(終了)する仲間に対し、これまでの感謝と新たな旅立ちを応援する儀式です。辞めていくアルバイトに対し、店長が壇上で手紙を読み上げ、お店で作った色紙やアルバムを渡します。
1日でこれほど多くの「感謝」に触れる機会はなかなかありません。たった1日のイベントでも、皆が自然に感謝の言葉を口にし、職場の雰囲気は劇的に良くなります。この他にも、店舗ごとに行う誕生会、歓迎会などは、職場の雰囲気をプラスに持っていける活性化イベントですよね。
さて、別のある企業様の事例をご紹介しましょう。この企業様では、入店1ヶ月後、2か月後、3ヶ月後に、店長が新人スタッフに対し、1人ずつフォローアップ面談を行い、離職率を5%前後に抑えています。
フォローアップ面談では、店長ははじめにこう質問します。
「入店して1ヶ月経ったよね。いつも頑張ってくれて助かってるよ。さて、面接の時に、○○さんにこの仕事でどんなことができるようになりたいか、質問したよね?あの時、○○さん何て答えたか覚えてる?」
新人スタッフの回答に対し、店長はさらにこう突っ込みます。
「そうだね、その目標に対し、今の達成度は何%ぐらいかな?」
「達成度100%に近づくためには、何を頑張ったらいいかな?」
そして、新人スタッフが答えたことに対して、「そうか、これから1ヶ月、そこを意識して頑張ってみよう。具体的にはコレをやってみて」と締めくくります。
つまり、(1)これまでの取組を褒める (2)1か月前の行動目標と、現時点の達成度を振り返る (3)次の課題を与える という流れで、全店長が面談を行っています。店長がメンバーとじっくり向き合う時間を作ることで、「自分のことを見てくれている」という実感が持て、さらに行動目標に対してどれぐらい達成できたか、成長度合を振り返る機会でもあります。
このように、アルバイトが「感謝」や「成長」を実感できる場と機会を作ると、定着率も改善することができます。ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか。
株式会社 船井総合研究所
フードビジネス支援部
  経営コンサルタント
原 康雄

(公開日 2016年10月11日)

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