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【これからのリピーター(ファン)づくり】

コラムをご覧の皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所 地方創生支援部の大橋隆人(おおはしたかひと)です。
店舗の売上を上げるためには集客が不可欠ですが、「新規顧客獲得」と「リピーター客獲得」では打ち出しが異なります。
今回は「これからのリピーター(ファン)づくり」と題し、ポイントを踏まえながらお伝えします。
【これからのリピーター(ファン)づくり】
=今回のポイント=
■ まずは「3回安定10回固定の法則」を目指す
■ 接客の差別化で勝負する
■ SNS活用でリピーターを獲得する
=========
■ まずは「3回安定10回固定の法則」を目指す
売上アップに欠かせないリピーターづくりにおいて、まず始めに意識していただきたいことは「3回安定10回固定の法則」です。
これは、お客様が一定期間内に3回来店すれば安定客となって4回目以降の来店につながり、さらに10回以上来店すれば継続的に来る固定客になる、というマーケティング理論の一つです。リピート客を増やすためには、やみくもに動くのではなく、「3回来店してもらうための施策」さらに「10回来店してもらうための施策」を打ち出していく必要があります。

例えば、某大手うどんチェーンの事例です。来店されたお客様に名刺サイズ程度の、集めると利用可能なクーポン券を配布しています。そのクーポン券を利用する場合、「3枚」「5枚」「10枚」のいずれかの枚数を集めなければクーポンが利用できません。つまり、最低でも一定期間に3回来店しなければクーポンを使えないということになりますが、ここでも「3回」「10回」というマーケティング理論に則った打ち出しがされています。
皆様もこのようなクーポンを目にしたことがあるのではないでしょうか。10回の利用はイメージできなくても、3回なら行くかもしれない。この「手の届きそうな魅力的な特典」の打ち出しが必要です。
リピーター獲得においては、3回来店、そして10回来店を目標にしましょう。
■ 接客の差別化で勝負する
リピーターづくりにあたり、「3回安定10回固定の法則」とは別に、もう一つ重要なポイントがあります。それは大前提として「お客様がリピートしたいお店かどうか」ということです。戦略的にリピート施策を行うことは重要ですが、そもそもお客様が「また来たい」と思うようなサービス提供ができているかという基本が整っていなければ、リピーターづくりはうまくいきません。

では、お客様に「また来たい」と思っていただくにはどうすればよいか。端的にはQSC(Quality・Service・Cleanliness)を上げて、価格以上に価値があると感じてもらえるかどうかです。つまり価格<価値ということです。ここでは特にService、接客についてお伝えします。

接客力を向上させる方法は大きく2つあります。1つは従業員に対して接客に対するマインドを高めること、もう1つは商品の提供方法の改善、オペレーション改善などといった仕組みの改善です。

まず「接客に対するマインド」というのは、元気よく挨拶をする、笑顔でお客様と接する、困っているお客様がいたら積極的に声をかけるなど、店舗運営において基本的なことです。日々の研修や営業時の声掛けなどで「接客に対するマインド」を従業員に浸透させていく必要があります。
ある飲食店ではスタッフに接客マインドを浸透させるため、行動規範を箇条書きでまとめたカードを全スタッフに渡し、接客力を向上させるという取り組みをしています。例えば飲食店の店長が「当たり前のこと」だと思っていても、従業員にはなかなか伝わりにくく、実際、伝わりきらない点でもあります。あえて文字に落とし込み、さらに従業員へ落とし込む機会が必要です。

次に「仕組みの改善」という点です。飲食店であれば「オーダーが入ったら〇分以内に提供する」「この商品はお客様の目の前で調理を仕上げる演出をする」「誕生日対応のサプライズ方法をルール化し円滑に進められるようにする」など、ルールを決め、接客力を上げる取り組みです。
先に述べた「接客に対するマインド」ももちろん重要ですが、一方で感情面の話でもあるため、人によっては成長速度が遅い可能性があります。しかし仕組みは決めてさえしまえば具体的に行動として何をすべきか決断できます。育成は比較的しやすいのではと思います。

上記に述べた2つはどちらも重要な点です。仕組化を図りながらも、店舗全体の接客に対するマインドと意識を高めていき、リピーター獲得へつなげていきましょう。
■ SNS活用でリピーターを獲得する
最後はSNS活用における潜在リピーター獲得についてです。特に今回はLINEに絞ってお伝えします。LINEは現在、多くの店舗が集客に活用しています。最新情報やクーポン配信などで活用するケースが多いですが、今回はショップカードという機能の活用をお勧めします。

ショップカードとは、いわゆるWeb版の「スタンプカード」です。来店するたびにポイントが貯まり、ある一定のポイントまで貯まるとクーポンが発行されます。この機能では店舗側が任意のポイント数を指定し、任意のクーポンを発行することができます。この機能に本コラムの冒頭にお伝えした「3回安定10回固定の法則」を取り入れることで、より効果的にリピーターを獲得できます。

具体的には3ポイント、10ポイントでクーポンを付与する、ということですが、新規で来られたお客様からすると、3ポイントや10ポイントを貯める行為は少々ハードルが高く感じられます。そこで、初回の1ポイント目でクーポン付与し、「まずはショップカードを認知してもらい、利用してもらう」ことに注力しましょう。
さて、3ポイントまで貯めたものの、10ポイントまで貯めるとなるとまだ少々ハードルが高いようです。そんな時は中間の5ポイント目などでのクーポン付与を検討してみてください。3回来店ののち、あと2回来れば5ポイント目の特典が利用できるとなれば、お客様のハードルも下がります。最終的に10ポイント貯めてもらう=10回来店してもらう姿をイメージして設定していきましょう。

お客様がリピーター(ファン)になるかどうかは、店舗の雰囲気やサービス、接触の頻度などが多分に影響します。上記のような戦略的な施策を打ち出し、リピーター獲得を促進していきましょう。
【株式会社船井総合研究所】
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https://funai-food-business.com/

(公開日 2023年8月28日)

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