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デキるアルバイトを育てる評価制度

今、多くのお店で人手不足が深刻化しています。人材確保が思うようにいかないお店も多く、最近ではパート・アルバイトの時給の高騰が進行しています。しかし、飲食業や小売業では、アルバイトを上手く活用することで人件費を抑制してきた経緯もあり、このまま時給の上昇が続くことは経営に深刻な影響を与えかねません。
今回は、このような状況下であっても、人材を上手に活用し、業績アップを実現できているお店の取り組みをお伝えします。
デキるアルバイトは評価制度で育つ!!
パート・アルバイトは、正社員に比べ、時給などの労働条件に対しシビアに考える傾向があります。自分の今の時給に納得が得られなければ、すぐに他店に移ってしまいます。そこで、「なぜ、この時給なのか?」「どうすれば時給が上がるのか?」を明確に規定してスタッフに納得感を与える制度、すなわち「評価制度」が必要になります。

パート・アルバイトの評価制度を作るにあたって、まずは役割遂行レベルに応じて、それぞれの職位を定義します。「研修生+1つ星~5つ星」または「ジュニア」「レギュラー」「ミドル」「エキスパート」など、5段階ぐらいで設定するのが理想です。あまり多くなると、レベル間の違いがわかりにくくなり、目指すゴールが遠く感じてしまいます。

次に、レベルごとに「求められるスキル」と「時給」を設定します。
「求められるスキル」は、「衛生・清掃」「接客・サービス」「仕込み・調理」「マネジメント・後輩指導」の評価項目に分けて考えます。そして項目ごとに、どんなことをできるようになっていてほしいかを明確に定義します。あわせて時給も「●●円~○○円」というように、各レベルで幅を持たせて設定します。上級レベルになればなるほど「マネジメント・後輩指導」を重視するようにするとよいでしょう。
これらの評価項目に基づき、人事考課を行います。半年~3ヶ月に1回行うのが標準的です。

一方、より得意領域を伸ばしてもらうための社内資格として「マスター制度」を導入しているお店もあります。例えば接客、ホスピタリティに優れた「笑顔マスター」、商品知識に優れた「商品マスター」など、特定のスキルに秀でたスタッフを評価する仕組みです。社内審査にパスすれば、マスターの称号がもらえ、「時給20円アップ」などの報酬が得られるだけでなく、腕章や名札バッジに「○○マスター」という表記がされます。実は、このマスター制度の本当の狙いは、お客様の目に見えるようにこれらのアピールを行うことで、スタッフとお客様とのコミュニケーションを活性化することです。
これらの制度によって、スタッフが自分の長所を発揮してスキルアップにつながるばかりでなく、イキイキと働くための動機付けを促進することができるのです。
株式会社 船井総合研究所
フードビジネス支援部
  経営コンサルタント
原 康雄

(公開日 2016年7月17日)

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