中小企業の経営戦略を担う「船井総研」のコンサルタントが、さまざまな業種・業態の方向けに書き下ろしたコラムを掲載!
マイナスな雰囲気を明るくするアルバイト教育
多くの店舗で取り組まれているアルバイト教育、あなたの店舗ではうまくいっていますか?採用難が激化し、また社員の労働時間削減が当たり前になった今、アルバイト教育の重要性が以前より更に増してきています。
今回は、飲食店に特化した人材育成コンサルティングの現場から、このコラムをお読みの方にアルバイト教育のポイントをお伝えします。
今回は、飲食店に特化した人材育成コンサルティングの現場から、このコラムをお読みの方にアルバイト教育のポイントをお伝えします。
アルバイト教育がうまくいっている店舗にはいくつかの共通点がありますが、中でも「指導体制」と「店舗環境」が整っているということがあります。繁盛しているお店の店舗ほど、この2点が良い状態になっている、つまり繁盛店はアルバイト教育がうまくいっているといえます。
「指導体制」とは、店長以外にナンバー2、ナンバー3となるアルバイトがどれだけ数多くいるか?というものです。店長1人で数多くのアルバイトスタッフをマネジメントするのは実は難しいことです。
「店舗環境」は、マイナス発言が少ないなど店舗内の明るい雰囲気を作ることです。店長の不在時間や見えない所でのスタッフ間の言動が、お客様満足度ひいては業績向上に繋がる影響度が高いからです。
これらを実現するために、アルバイトの中でナンバー2、ナンバー3の人材が決まっていない場合は、候補者を決めましょう。そして彼らには以下のことを行いましょう。
店長は、自分以外に指導者を何人育てているか?マメにコミュニケーションをとっているか?を押さえることで指導体制と店舗環境は段階的に良くなっていきます。
とある名古屋の飲食店では、これらの強化を図り、アルバイトが育ちやすい環境づくりを行いました。その結果、人時売上高(※1)が3,000円台から4,500円台に上がり、客数も昨年対比127%と持続的に向上しています。1人あたりのアルバイトに任せられるポジションが増え、アルバイトによってはオペレーションのレベルが高くなりました。ピーク時間の回転数・稼働率が上がり、しかるべき時に売上を最大化できる状態になっていったのです。ABC分析(※2)から重点販売商品を決定し、2ヶ月間連続で達成した店舗には、アルバイトも含めインセンティブを支給しています。達成感を共有していく事で、店内がプラスの雰囲気になりました。未達成の時でも、店内ミーティングでは「なぜ、達成できなかったのか?」をアルバイトも含め考えていくようになりました。この過程がアルバイト教育にも繋がっていったのです。この飲食店は、さらなるレベルアップに向けて、今も継続して取り組んでいます。
閑散月こそこれらを行いましょう。繁忙月には、シフトへの協力度合いなど、アルバイトの力がますます必要になってくるからです。そして、実はこの2つのポイントを強化するために、店長が取り組むべきことがあります。それは、アルバイトへの関わりを増やし、自身の思いや考え方を理解してもらうということです。どれだけのアルバイトが、あなたの店で働く事で“お店にどのように貢献できているか”ということを認識していますか?認識していないと思われるメンバーには、ぜひ彼らが店舗に与えている「存在効果」について伝えていただければと思います。
店長が“アルバイトスタッフと向き合い”、「指導体制」と「店舗環境」を強化していくことで、マイナス発言などが多いお店をクリーンにしていくことができます。
参考にしてみてください!
「指導体制」とは、店長以外にナンバー2、ナンバー3となるアルバイトがどれだけ数多くいるか?というものです。店長1人で数多くのアルバイトスタッフをマネジメントするのは実は難しいことです。
「店舗環境」は、マイナス発言が少ないなど店舗内の明るい雰囲気を作ることです。店長の不在時間や見えない所でのスタッフ間の言動が、お客様満足度ひいては業績向上に繋がる影響度が高いからです。
これらを実現するために、アルバイトの中でナンバー2、ナンバー3の人材が決まっていない場合は、候補者を決めましょう。そして彼らには以下のことを行いましょう。
(1)理念、方針、目指す店舗像、店長の想いを共有する
(2)他のパートアルバイトへ教育、サポートを強化していただく
(3)店舗内の現状の課題点と対応策について、週に1回以上話し合う
店長は、自分以外に指導者を何人育てているか?マメにコミュニケーションをとっているか?を押さえることで指導体制と店舗環境は段階的に良くなっていきます。
とある名古屋の飲食店では、これらの強化を図り、アルバイトが育ちやすい環境づくりを行いました。その結果、人時売上高(※1)が3,000円台から4,500円台に上がり、客数も昨年対比127%と持続的に向上しています。1人あたりのアルバイトに任せられるポジションが増え、アルバイトによってはオペレーションのレベルが高くなりました。ピーク時間の回転数・稼働率が上がり、しかるべき時に売上を最大化できる状態になっていったのです。ABC分析(※2)から重点販売商品を決定し、2ヶ月間連続で達成した店舗には、アルバイトも含めインセンティブを支給しています。達成感を共有していく事で、店内がプラスの雰囲気になりました。未達成の時でも、店内ミーティングでは「なぜ、達成できなかったのか?」をアルバイトも含め考えていくようになりました。この過程がアルバイト教育にも繋がっていったのです。この飲食店は、さらなるレベルアップに向けて、今も継続して取り組んでいます。
閑散月こそこれらを行いましょう。繁忙月には、シフトへの協力度合いなど、アルバイトの力がますます必要になってくるからです。そして、実はこの2つのポイントを強化するために、店長が取り組むべきことがあります。それは、アルバイトへの関わりを増やし、自身の思いや考え方を理解してもらうということです。どれだけのアルバイトが、あなたの店で働く事で“お店にどのように貢献できているか”ということを認識していますか?認識していないと思われるメンバーには、ぜひ彼らが店舗に与えている「存在効果」について伝えていただければと思います。
店長が“アルバイトスタッフと向き合い”、「指導体制」と「店舗環境」を強化していくことで、マイナス発言などが多いお店をクリーンにしていくことができます。
参考にしてみてください!
株式会社 船井総合研究所
フードビジネス支援部
森屋俊宏
フードビジネス支援部
森屋俊宏
(公開日 2016年1月3日)
(※1) 人時売上高 :
一店舗で従業員一人当たり、一時間でいくらの売上を上げているか。
店舗がどれだけ利益を出せているかを計る指標。「売上高」は店舗の立地など条件に左右されるため、「人時売上高」で生産性を見る。
(※2)ABC分析 :
数多くあるメニューの中でどこに重きをおいて管理していけばよいかの重要度や優先度を明らかにするための分析手法。例えば、商品累計売上構成比により、ランキング上位から「Aグループ」「Bグループ」「Cグループ」とグループ分けする。
一店舗で従業員一人当たり、一時間でいくらの売上を上げているか。
店舗がどれだけ利益を出せているかを計る指標。「売上高」は店舗の立地など条件に左右されるため、「人時売上高」で生産性を見る。
(※2)ABC分析 :
数多くあるメニューの中でどこに重きをおいて管理していけばよいかの重要度や優先度を明らかにするための分析手法。例えば、商品累計売上構成比により、ランキング上位から「Aグループ」「Bグループ」「Cグループ」とグループ分けする。