春は多くの人が新しい生活圏で、自分の「お気に入りのお店」を開拓する季節。飲食店にとっても新たな顧客の獲得に向けて販促に力が入るのはもちろんだが、並行して実施してほしいのがゴキブリやコバエといった不快な害虫の駆除対策だ。
不快な害虫への対策は、衛生的な理由だけでなく、お客様の「店舗評価」につながる重要なポイントとなる。なぜなら、たった1匹でも不快な害虫が目撃された瞬間、それまでの楽しい時間もおいしい料理も細やかな接客も全てが台無しになってしまうからだ。
店のイメージダウンにつながる不快な害虫の存在は、SNSなどに書き込まれてしまえば拡散され、今後の営業にも大きな影響が出てしまうので注意が必要だ。
色や大きさで見分けられるゴキブリの種類と生態
種類 | 体長 | 色 | 分布 | 生息場所 |
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クロゴキブリ | 約30~40ミリ | 黒褐色 | 北海道~九州 | トイレの浄化槽、流し台 床下、排水溝、マンホール内 |
チャバネゴキブリ | 約10~15ミリ | 薄茶色 | 日本全土 | ビルや飲食店の厨房 |
ワモンゴキブリ | 約30~45ミリ | 光沢のある褐色 | 関東以南(日本全土ともいわれている) | 食品を扱う場所。 トイレ、下水処理場、マンホール、ゴミ埋め立て地など |
ゴキブリ対策を行うためには、まずゴキブリの習性や発生する環境について知識を深める必要がある。日本の飲食店で見かけるゴキブリは上記の3種類。中でも飲食店で見かける機会が多いのは「チャバネゴキブリ」だ。
近年、在来種であるとの研究報告がされているチャバネゴキブリは繁殖力が強く、今では北海道から沖縄まで日本全国で確認されるようになった。飛ぶことができないため、長距離の移動はできず、活動範囲はさほど広くないが、小さな隙間に容易に入り込み、荷物に紛れて店に侵入することがある。
もし、店のバックヤードに無造作に置かれっぱなしの雑誌や新聞紙、段ボールがあるとしたら要注意だ。ゴキブリにとって紙の束の間や段ボールのギザギザの中といったところも格好のすみかになりうる。
またゴキブリは、夜行性で暗く狭いところを好み、集まって生活する特徴がある。昼間は人目につかない床下や天井、排水溝や冷蔵庫等の熱源のあるものの下や裏など、暖かく水と餌がある場所に潜み繁殖しはじめるのだ。
ゴキブリのライフサイクル。メスは生涯で3~10回ほど産卵し、卵鞘(らんしょう)1個から18~50匹ほどのゴキブリが生まれる
通常チャバネゴキブリの卵は15~30日くらいで孵化する。そこから脱皮を繰り返し、約2~3ヶ月で成虫に。メスは生涯で3〜10回ほど産卵する。産み落とした卵鞘(らんしょう)1個につき、18〜50匹ほどの幼虫が孵化する。
寒い時期は孵化せず、卵鞘(らんしょう)のまま越冬する。昔は冬になると低温のため、幼虫や成虫含め多くが死滅していたが、今は下水に湯が流れていることや暖房の普及によって、冬でも屋内は暖かく、越冬できる個体が増えているのだ。
そして春になり、気温が20℃くらいまで上がると活動を開始。繁殖も再開するので、油断すると次から次へと増えてしまう。繁殖を防ぐためには、春から駆除対策を実施し、幼体を成虫にさせないことが重要なのだ。
一般家庭と比べ、飲食店でゴキブリが発生・繁殖するリスクが極めて高い理由は、下記のような、ゴキブリにとって楽園とも言うべき、快適な環境がそろっているからである。
・食品を多く扱うので、ゴキブリの餌となりうるものが多い
・水分の確保が容易である
・厨房機器の隙間など、通年を通して暗く暖かく隠れられる場所が多い
店内に溜めっぱなしの段ボールは要注意。狭い隙間はゴキブリにとって格好のすみかになるので、こまめに処分しよう
さらに、通風口や換気扇、排水管を伝ってきたり、仕入れなどに使われる段ボールやレンタルの観葉植物に潜んでいたりと、外から侵入することも多い。
自店で駆除しても駆除してもいなくならないという場合、外から入ってきていることも考えられる。春は歓送迎会の予約なども多く入り、店舗も活発になる季節。仕入れが増える分、侵入のリスクも上がるのだ。
喫茶店の居抜きに店を構えた松下オーナーシェフ。開店当初は、次から次へと出るゴキブリに悩まされたという。
「最初は自分で市販の駆除用品を使って罠を仕掛けたりしていたのですが、どうしても減らなくて。ついには営業中にも出るようになり、悩んでいたところ、近所の飲食店の方に『ダスキンのゴキブリ駆除が一番いいよ』と教えてもらって、定期管理サービスを導入しました」(松下オーナーシェフ)
ゴキブリの侵入経路や発生しやすい場所に薬剤や調査用の罠を設置
ダスキンのゴキブリ駆除と予防管理はまず、スタッフが店内のゴキブリ生息場所や発生源を徹底調査することから始まる。その後、特定したゴキブリが出現しやすいポイントに捕獲用の罠や毒餌を設置。入口にはゴキブリが侵入しないように忌避剤をスプレーするなど、1回の作業時間は20~30分だという。
「サービスを導入した当初は、朝、店舗に来ると毒餌を食べて死んだゴキブリが床に転がっていましたね。徐々にゴキブリの出現は減っていき、1年しないうちに店内にはゴキブリがほぼ出なくなりました」(松下オーナーシェフ)
入口には調査用の罠を設置すると共に、侵入を防ぐ忌避剤をスプレー
傘立てで目隠ししているので、普段はお客様の目には入らない
「夜中になると外の通りをゴキブリが歩いているのを目撃しますが、それでも店内にゴキブリは出ませんね。ダスキンのスタッフからはいろいろアドバイスをいただいていて、ゴキブリは人がいないときに外から入ってくるので、ドアや窓を開け放しにはしないようにしています。ほかにも段ボールは溜めずに処分するようにしたり、冷蔵庫や厨房機器などの隙間もこまめに掃除したりなど、普段から自店でできることはやっています」(松下オーナーシェフ)
厨房機器の下も侵入・繁殖ポイント。サービス導入後は激減し、調査用の罠にかかるゴキブリもほとんどいなくなった
座席下の収納スペースには資材を収納。ベイト剤(毒エサ)を局所的に使用
定期管理を導入して約15年。1回の費用はスタッフが4週間毎に訪問して現在、6600円(税込)程度だという(50m²・約15坪までの料金)。
「コストはちょうどいいですね。店舗のボディガード代として考えています。サービス導入時に他社の値段とも比較しましたが、大体同じくらいの値段でした。もっとも、口コミで『ダスキンがいいよ』と聞いていたので、多少高くてもダスキンにしようとは思っていましたね」(松下オーナーシェフ)
ゴキブリの生態を知り尽くした高い技術力と、プロ仕様の薬剤を使った的確なゴキブリ駆除サービス。ゴキブリが出現しない安心感だけでなく、店で働くスタッフのストレス軽減にもつながっているそうだ。
毎回の定期管理後に渡されるサニテーションレポート。使用薬剤やチェック項目が記載されている
自身が同業者に勧められたように、ほかの飲食店にも自信を持って勧められると松下オーナーシェフ。
「本当にほぼゴキブリがいなくなります。効果が目に見えてありますね。これからも利用し続けたいと思います」(松下オーナーシェフ)
気温が上がるとさらに多く見かけるようになるのが、コバエなどの飛翔害虫。ハエ類の発生は5月から急増する。換気対策で窓を開けていると虫が侵入してきて嫌な思いをする季節に。厨房だけでなく、客席を飛び回るのは避けたいもの。ましてや、料理への混入などは絶対に阻止しなければならない。その飛翔害虫対策も春が効果的だ。
建物内を飛来する害虫は、大きく分けて建物内部で発生する場合と、建物外部から侵入してくる場合がある。
コバエなどの飛翔害虫は、実は発生場所によって種類が異なる。ある虫には効果的な対策が、ある虫にはまったく効かないということも。それぞれのポイントに発生する害虫と、それに対応した駆除サービスを紹介する。
1)野菜クズや下水に生息
・ショウジョウバエ…腐敗した果物や野菜クズ
・チョウバエ‥浄化槽、排水溝、グリストラップ
・ノミバエ…ゴミ箱、下水溝や浄化槽の汚泥。腐った青果物や腐肉
【チョウバエ駆除サービス】
チョウバエの発生源対策から駆除効果確認までトータルに実施。
2)光に誘引されて建物内に侵入
・クロバネキノコバエ…光に誘引されて建物内に侵入。観葉植物の土壌。
・ユスリカ…光に誘引されて、ガラス外面に飛来。
【ガラス面防虫サービス】
ガラスの外面に透明度の高い薬剤をコーティング。夜間営業中のガラス面に集まる不快な虫に効果がある。
店内を飛び回る虫を、様々な方法で駆除・予防。スタッフが4週間毎に訪問し捕虫紙の交換など定期メンテナンスを行うサービス。
ダスキンの「飛翔害虫定期管理サービス」なら、さまざまサービスと多彩な捕虫器により、飛翔害虫の侵入を防ぎ、店内の飛翔害虫も捕獲する。
気温が上がり、ゴキブリやコバエ類の活動が活発化する今の時期。衛生管理のみならず、お客様からの店舗評価を下げないためにもプロの定期管理を導入し、大切な自店を害虫による被害から守ろう。
ダスキンコンタクトセンター
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